阪神ドラ1・佐藤輝 甲子園浜風対策「金本さんに聞いてみたい」 左打者不利の逆風突き破るぞ

[ 2020年11月19日 05:30 ]

<仁川学院 報告会> 在校生とガッツポーズして、記念撮影する佐藤 (撮影・平嶋 理子)                                                       
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)が18日、兵庫県西宮市にある母校・仁川学院に凱旋(がいせん)しプロ入りの「報告会」を行った。飛距離自慢の左のスラッガーは、球団OBで前監督の金本知憲氏(52=本紙評論家)に甲子園で本塁打を量産する秘けつを伝授してもらうことを熱望した。

 ドラフト指名後、初めて母校に足を踏み入れた佐藤輝は、直線距離で5・5キロしか離れていない「新たな本拠地」に思いをはせた。西宮市育ちで少年時代はファンクラブにも入っていたという阪神ファン。最も印象が残っているのは、左打者不利と言われる甲子園で本塁打を量産する「アニキ」の姿だった。

 「打者でいえば金本選手。鉄人と言われてましたし。やっぱり甲子園でどうやってホームランを打つか。同じ左打者なんで。どういう心構えで入ればいいか聞いてみたいです」

 99年3月生まれ。6歳だった05年には、浜風をものともせずに40本塁打を放った金本氏の豪快な打撃に目を輝かせた。当時は球場による左右の有利不利など知らなかったが、本格的にプロを目指し始めて改めて、その凄さに気付いたという。

 「小学校の時は正直、浜風がどうとか考えたことなかったんですけど、今考えてみればすごいなと。(聞きたい極意は)それが分からないので聞いてみたいです」

 パワーでは負けていない。本格的にウエートトレーニングを始めた高校2年から急成長した仁川学院では数々の「伝説」を残している。自主練習の置きティー打撃ではグラウンドの打席付近から右翼後方にある校舎の3階の教室の窓ガラスを割る特大飛球を放った。打席から校舎までは直線距離で約100メートルだが、2年夏まで監督だった同校の中尾和光部長(41)は「右中間方向にある教室だったんで。120、130メートルは飛んだと思います」と今でも目を丸める。もっとも佐藤輝本人は「ガラスを割ったのは印象に残っています。(場所は)どこらへんですかね?3階?」とケロリとした表情だった。

 金本氏は監督退任後も阪神中心にテレビ解説や評論活動を行っており、球場やイベントなどで会えるチャンスはあるはず。浜風を切り裂くアーチ量産へ、プロでもどん欲に取り組んでいく。 (山添 晴治)

 《母校報告会で「夢」スピーチ》 佐藤輝は後輩らが集まった「報告会」で夢を持つことの大切さを説いた。自身、高校3年の夏は兵庫大会初戦敗退するなど甲子園には出場できず。それでも近大に進み関西学生野球でリーグ記録を更新する14本塁打を放つなどしドラフト1位でプロ入りを果たした。

 「才能を信じてやるべきことをやれば、結果は出るというのは証明できたと思います。自分はできる、とずっと思っていましたし、今でも思っています」

 実現には相応の努力も必要だが「試合で活躍できたらうれしかったんで、あんまり努力したとか思っていない」と大学生活を振り返った。報告会の最後にはブラスバンドによる六甲おろしの演奏をバックに、生徒会長から花束を受け取った。

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2020年11月19日のニュース