西武・山川 連敗5で止める逆転サヨナラ打! 一時逆転許した弟分・森は号泣「救われた」

[ 2020年8月28日 05:30 ]

パ・リーグ   西武8―7日本ハム ( 2020年8月27日    メットライフ )

<西・日>9回1死満塁、逆転サヨナラ打を放った山川(右から2人目)はバンザイポーズ(撮影・小海途 良幹)
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 弟分を泣かせる劇打だ。西武の山川穂高内野手(28)が27日の日本ハム戦で1点を追う9回に左翼線2点打を放ち、逆転サヨナラ勝ちした。連敗を5で止める2年ぶりのサヨナラ打。7回から途中出場し、8回に一時逆転を許していた森友哉捕手(25)は救われ、号泣した。借金は7。苦しい状況に変わりはないが、リーグ3連覇へ逆襲のノロシを上げた。

 歓喜のウオーターシャワーの傍らで、森の目から涙があふれていた。ユニホームで何度拭っても止まらない。ベンチへ戻り、秋元バッテリーコーチに肩を抱かれると、さらに涙がこぼれ落ちた。豪傑が号泣する姿にナインは目を奪われ、お立ち台に上がった山川の目も真っ赤だった。

 「捕手として選手会長として、あいつが一番苦しいと思うし、こうやって助け合っていければいいと思う」。起死回生の逆転サヨナラ打は5連敗中だったチームだけでなく、同期入団で公私で仲のいい弟分の森も救った。

 森は疲労もあって先発から外れ、新人の柘植が初めて先発出場していた。7回からマスクをかぶったが、6―4で迎えた8回にギャレットが3点を奪われて逆転を許した。柘植の思い。チームの思い…。責任を感じた。

 6―7の9回1死満塁。土壇場で兄貴分の山川が堀の直球を左翼線へはじき返した。「正直なところ、どうにか前に飛ばすことを意識した。“杉谷さん、絶対捕るな”って」。主砲の「念」は通じ、打球は懸命に伸ばした左翼・杉谷のグラブの先を抜けていった。

 山川自身も不振が続いていた。流れを変えるため打席に入る際の登場曲にいつものBEGINとともに、あいみょんを交えた。曲は「GOOD NIGHT BABY」。4回にはバックスクリーンへ反撃の口火となる18号2ランを放った。そして、西武ファンを心地いい眠りにつかせる逆転サヨナラ打。「完全に、あいみょんパワーです。それを強く言いたい」と笑った。

 辻監督は涙した森を思いやり、こう言った。「気持ちは非常に分かる。彼の責任感、逆転された悔しさがあり、そして最後に友哉の兄貴(山川)がサヨナラを打ってくれた。野球の怖さを知って、これから大きく生きてくると思う」。話すことがなかった森の気持ちを代弁すると、山川もこう言った。「どうにかしたい思いを強く持っている。残り半分あるので、大逆転したいと思います」。8・27。ここから獅子の逆襲が始まる。 (大木 穂高)

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