広島 K・ジョンソン 9戦未勝利も状態上向き 佐々岡監督「ボールの力はあった」

[ 2020年8月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-3DeNA ( 2020年8月27日    横浜スタジアム )

<D・広14>広島先発のK・ジョンソン(撮影・島崎忠彦)
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 広島は27日のDeNA戦に2―3で惜敗した。先発のクリス・ジョンソン投手(35)が6回を6安打3失点の粘投。開幕から9戦未勝利で今季6敗目を喫したものの、投球や精神面には粘りが見え、次戦に期待を抱かせる内容だった。打線は中盤以降に「0」を並べ、堂林が放った左翼ポール際への12号先制弾は空砲。天敵・井納に今季3戦3敗となった。

 一球の代償があまりにも大きい。4回に松山が天敵・井納から左翼フェンス直撃の勝ち越し二塁打を放ち、さあ、もうひと踏ん張りという状況で失った痛恨の2点。いつも通り「ノーコメント」だった左腕の胸中を、佐々岡監督が代弁した。

 「あそこだけだね。結果的に逆転打になってしまった。ストライク先行で我慢強く投げていた中で、もったいなかった」

 1点優勢の4回、安打と四球で1死一、二塁のピンチを招き、打席に投手の井納。その初球、145キロの直球は真ん中に甘く入る失投となり、右中間突破の2点逆転二塁打となった。不用意のそしりを免れない、悔やみ切れない一球だった。

 点の取られ方がよくない。2回にも堂林のソロで先制した直後に失点。嶺井に許した同点打は厳しい内角直球だったが、自身の暴投が絡んでいる。ただ、そうしたマイナス面を補う力強さや粘る姿勢が、この日の投球に見えたのも事実だ。

 「前回もそういうところは見えた。ジョンソン本人も、変えようとやっている」

 指揮官の言う「そういうところ」とは精神面の粘り。ストライクボールの判定でイラ立ち、四球を与えては自滅する悪癖は見せなかった。5回には細川に9球粘られて四球。2死一、二塁のピンチを招いても、嶺井を冷静に二ゴロに斬った。

 「前回からだいぶ、強いボールを投げることができている。粘って6回3失点。試合はつくってくれた」

 沢崎投手コーチは左腕の状態が上向いているとして、次戦の変わり身に期待する。佐々岡監督も同じ言葉を重ね、K・ジョンソンの復調を熱望する。

 「ボールの力はあった。本当に一つ勝てば変わると思う」

 もうそろそろ、今度こそは…と期待を受けながら既に9試合。来日5年間で57勝の実力者だけに、チームの反転攻勢につながる本来の投球が見たい。(江尾 卓也)

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2020年8月28日のニュース