スカウト悲鳴 “隠し玉”の指名困難に「思い切って指名できない」

[ 2020年5月21日 05:30 ]

夏の甲子園、地方大会中止

 甲子園が中止となったことで、今秋ドラフトでの高校生の下位指名が難しくなった。

 広島の苑田聡彦スカウト統括部長は「新チームになって急成長する高校生がいるけど、全く視察できていない」と説明。140キロ台後半の球威を誇る明石商・中森、中京大中京・高橋ら上位候補は別格として、3位以降に高校生を推薦する材料が乏しいと指摘した。「去年見て(リストに)残して、春から夏と体の変化を見極めるんだけど…。一番怖いのは故障。今年の高校生はかわいそうだけど、思い切って指名できない」と明かした。

 スカウト歴37年目の中日・中田宗男アマスカウトアドバイザーも戸惑いを隠せない。「見ていない選手が大半で、判断できないケースが出てくる。春先の印象で“この選手はドラフト上位候補、この選手は段階を踏んで大事な試合を追いかけよう”と振り分けていくけど、その基本になる部分がない」と話した。伸び盛りの選手たちが春夏ともに全国の舞台で見られなくなった影響は大きい。

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2020年5月21日のニュース