夏の甲子園中止 代替大会開催の動きも残る高い“ハードル”

[ 2020年5月21日 06:20 ]

夏の甲子園、地方大会中止

甲子園球場外観(撮影・後藤 正志)
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 【解説】春も夏も甲子園の道を失った3年生の花道を飾るために、各地方高野連は独自の代替大会開催を目指すことになった。しかし、まだ残るハードルは多い。

 甲子園が中止に至った理由の一つは「地方大会での感染リスクを完全になくすことができない」ことだった。独自の代替大会を開催するにしても、同じ課題が突きつけられる。選手権運営委員会、理事会後に全国の理事長が参加したオンライン会議では、日本高野連が「早急にスピード感を持ってガイドラインを作る」と回答。独自大会開催の指針を配布し、財政も支援する方針を示した。とはいえ、安全担保のために無観客開催など制限が多い指針になる可能性は高い。

 さらに、各自治体の教育委員会や出場校の校長の承認も必要不可欠な要素。授業の再開と部活動の再開が大前提となるが、県によってその定義は異なる。「通常授業再開してから約1カ月後に部活動再開が望ましい」とされた県の高野連関係者は「指針にのっとれば当初予定での開催は無理。何とか開催したいが、断念も考えなければいけないかもしれない」と頭を抱えた。

 ある県の高野連幹部は「選手の心情も考えなければいけないが、安全の担保が最優先」と話す。このまま3年生がプレーできず引退となればあまりに悲しいことだが、各地方高野連には冷静な判断が求められている。(アマ野球担当キャップ・松井 いつき)

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2020年5月21日のニュース