野球のない令和最初の4月、ネットの力の拡大実感 数週間後の改善イメージしてできることを

[ 2020年4月19日 21:54 ]

プロ野球の斉藤惇コミッショナー
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 元号はまだ平成だった。1年前の4月19日。甲子園では「平成最後の伝統の一戦」の3連戦初戦となる阪神戦で、巨人・小林が人生初の甲子園弾を放ち、援護を受けたエース・菅野が好投した。ソフトバンク・千賀は、西武戦でシーズン初勝利を挙げていた。

 翌20日のスポニチ本紙東京最終版は1面を小林、2面を菅野、3面を千賀が飾った。順位表を見てみるとセ、パ両リーグともにそれぞれの球団が17~19試合を消化した段階だった。セはヤクルトが11勝7敗1分けで首位を走り、以下巨人、中日、DeNA、阪神、広島。パは楽天が首位で以下、ソフトバンク、日本ハム、オリックスと続き、ロッテと西武が7勝10敗で5位タイだった。大リーグは、エンゼルスの本拠地で移籍1年目だったマリナーズ・菊池とエンゼルス・大谷が再会。当たり前だと感じていた野球が、そこにあった。

 今月17日のプロ野球の12球団代表者会議。新型コロナウイルス感染拡大の影響から、両リーグの5月開催と交流戦実施を断念した。無観客試合でのシーズン開始の可能性について斉藤惇コミッショナーの「お客さんが入れない状況でも、野球ができて、テレビ、ネットで配信され、皆さんが元気になれたらいいなという考えはある」という言葉に、苦悩がにじんでいる。

 野球がない令和最初の4月。そのネットの力の拡大は、野球界でもまざまざと感じさせられている。ツイッターやインスタグラムをはじめとするSNSでは、球団公式、選手個人が近況をアップ。ファンの質問に直接答えたり、選手同士が直接交流する姿も数多く発信されている。「おうち時間」と称して料理する姿を公開する選手も多数。「男子厨房に入るべからず」を地でいっていた昭和のプロ野球からは考えられない状況になっている。

 我々にできることは、数週間後の改善をイメージして日々を過ごすこと。感染、重症者をできる限り増やさないように。他者を思いやり、できることを一つずつしていくしかない。(記者コラム・春川 英樹)

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