DeNA ドラ1森にリモート指導!若手自主練にIT「3種の神器」導入

[ 2020年4月19日 05:30 ]

リモートで振り返り指導を受けるDeNA・森
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で自主練習が続く中、DeNAが横須賀市内の2軍施設「DOCK」で寮生に対して行っているのが「リモート指導」だ。首脳陣が直接指導する時間も限られるが、3つのリモートワークインフラを活用して新たな指導法を模索。気鋭のIT球団らしい取り組みで、育成の手を止めることはない。

 「青星寮」で過ごす寮生は4勤1休で自主練習を続けている。新型コロナウイルス感染防止策で「3密」を避けるため、コーチの出勤を1日1人に制限。これまでのような指導環境が整うことは難しいため、球団は迅速に動いた。

 壁谷周介チーム戦略部長は「できる限りの自主練習環境を提供する、コーチやトレーナーのサポートを継続する、固定観念にとらわれず今できることを最大限実施する」とリモート活用の狙いを明かす。球団内では既に活用していた(1)ビジネスチャット「Slack」(2)ビデオ会議「Zoom」(3)撮影、配信、共有ができる「DOCK映像システム」の「3種の神器」を用いて、3月末から画期的な指導が始まった。

 昨夏にオープンしたDOCKでは今年3月から試合、練習撮影用の固定カメラが26台稼働。練習のライブ配信、録画したアーカイブ映像をコーチがリモートでチェックできる。それを基にZoomやLINEのビデオ通話などで選手への振り返り指導を実施。2軍スタッフは毎朝、リモートミーティングを行い指導内容を共有する。

 この日は将来の遊撃レギュラーを期待されるドラフト1位の森が練習後、大村、嶋村、下園2軍打撃コーチから振り返り指導を受けた。真剣な表情でメモを取った18歳は「自主練習期間でも確認していただけるのはうれしい。自分の考えで行動することが身に付くいい期間になる」と目を輝かせる。

 「振り返りでは選手が自身の目的、実行、反省、課題のサイクルに対して考えるようになり、内面的な成長を感じています」と大村コーチ。開幕日も含め先行き不透明な状況は続きそうだが、DeNAらしい「今だからこそ」の指導法で、若手は成長を続けている。(町田 利衣)

 ▽DOCK(ドック) 横須賀市夏島町の追浜公園内にあるDeNA2軍施設で正式名は「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」。旧施設の老朽化に伴い昨年8月に新設された。2軍本拠地・横須賀スタジアムに隣接し敷地は約3万平方メートル。屋内外の練習場や選手寮のほか、約100人を収容できる見学スペースを設ける。船の建造などを意味する「DOCK」には造船の街・横須賀の象徴との意味も込めた。

 ≪ウエートにリハビリ、他にもフル活用≫球団は他にもリモートをフルに活用している。ウエートトレーニングの様子をトレーナーがチェックして指導したり、計測した体組成のデータをフィードバックしてトレーニングや食事のアドバイスを行うことにも役立てている。さらにリハビリ組のチェックなども行っている。

 ≪自主練習期間、5・6まで延長≫球団は4月末をめどとしていた自主練習期間を、政府の緊急事態宣言の対象期間である5月6日まで延長すると発表した。引き続き、新型コロナウイルスの感染防止対策として、選手によって球場使用日を隔日としたり、時差をつけたりするなど柔軟に対応する予定。寮生の4勤1休も継続する。

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