「おうち時間」で本を読もう 日本ハム・栗山監督の推薦図書は…

[ 2020年4月19日 09:30 ]

日本ハム・栗山監督
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、記者が担当する日本ハムは、球団施設に立ち入っての取材を制限する代わりにオンラインで栗山監督や札幌市内で自主練習を行う選手が取材対応する形式を採用している。普段なら野球の質問が多いが、外出禁止中の現在は「おうち時間」をどう過ごしているかで話が弾むことも多い。

 読書家の栗山監督は、やはり本の話題が多い。取材時間はさながら「栗山先生」の授業を受けているかのよう。何度かの取材対応で報道陣や自宅で過ごすことが多い読者に指揮官が薦める本を何冊か紹介してくれた。これらの本は知人らから「どういう本を読めばいいですか」と聞かれた時にすぐに取り出せるよう、30冊ほどが自宅の本棚の最上段に並んでいるという。

 まずは、法隆寺の宮大工・西岡常一らの「木のいのち木のこころ 天・地・人」(新潮社)。木と人の育て方を重ね合わせ「選手を育てているのと一緒だと思った」という。最近のオンライン取材で薦めてくれたのは、1912年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランス人外科医のアレキシス・カレル著「人間 この未知なるもの」(三笠書房)と三島由紀夫著「葉隠入門」(新潮社)の2冊だ。

 指揮官は本を読む意義についてこう力説する。「本当は本を読むよりも、自分が実際に経験したものの中から学ぶ方がいいんだけど、自分が経験できるものは数や時間が限られている。経験から学んだ本物を自分にたくさん入れることができたらと言うけど、今みたいに(外出禁止で)動けないときは経験できない」。さらに「何で人間はお腹が空いて物を食べるのに、脳にはご飯を食べさせてあげないんですか、と。毎日ご飯を食べさせてあげないと脳が腐っちゃう。それを昔の人は知っていたけど、文明の発達によって考えないでも代わりにやってくれるようになって、考えなくなってきた。だから、昔の本が今、見直されていると捉えている」と続けた。

 自宅で過ごす時間が多くなっている昨今。栗山監督の推薦図書を手に取ってみるのはいかがだろうか。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2020年4月19日のニュース