阪神・糸井 これぞ超人流イメトレ!無観客も「ヤジられているイメージで」試合出場

[ 2020年3月4日 05:30 ]

気合の入った表情でティー打撃を繰り返す糸井(撮影・大森 寛明)
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 超人流イメトレや! 阪神・糸井嘉男外野手(38)は4日の広島戦(甲子園)に「1番・右翼」で先発する見込みとなった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オープン戦の本拠地開幕戦も無観客試合での開催。通常の試合とは異なる環境だが、自ら「大観衆」や「ヤジ」のイメージを膨らませ、本番仕様で臨む。

 超人ならではの対応策だった。4日に行われる本拠地初戦。新型コロナウイルス拡大防止へ、無観客試合での開催が決定している。聞こえるのはミット音や打球音、審判の声と、通常のプロ野球とは一線を画す環境。各選手が対応に苦慮する中、糸井は独自のスタンスで試合に臨む考えを明かした。

 「(大勢の観客が)いるイメージでやります。ヤジられているイメージでやります。イメージして…」

 頭の中に描くのは、超満員の甲子園だ。応援タオルやメガホン、横断幕、応援歌…。自身のバットから快音が響けば、スタンドからは大声援が飛び交うだろう。一転、好機で凡退してしまうことがあれば…。スター選手にとっては宿命とも言えるヤジもまた、糸井流のイメージトレーニングに加えられた。

 「野球を頑張ります」。全力プレーを誓った糸井にとって、目の前にある現実よりも、バーチャルリアリティーこそが大きな意味を持つのだろう。今後の感染状況次第では、3月20日のヤクルトとの開幕戦も不透明な部分が残る。「無観客にも慣れないかんのか…」。あらゆる事態を想定して神妙な表情を浮かべる場面もあったが、持ち前のポジティブ思考で難局を乗り切るしかない。

 左足首手術からの復活を期す今春は、2月23日の広島戦で198日ぶりに実戦復帰を果たした。初回の1打席目はファーストスイングで左前打。2打席目も右翼線二塁打を放ち、2打数2安打で回復をアピールした。走塁時にはスライディングを試みるなど、開幕に向けて視界は良好だ。

 この日の全体練習ではシートノックで右翼の守備に就いた。きょう4日は「1番・右翼」で先発出場する予定。フリー打撃でも鋭い打球を連発した。矢野監督は1番起用の経緯を「どこでもいける。3番、4番、別に他の打順でもいけるとは思う。でも現状自分の中ではめていこうと思ったときには、1番がいいのかなあと」と説明した。

 糸井自身は「それは僕がどうこうできることではない」と打順にこだわりを見せなかった。大切なのは、どんな状況でも結果を残すこと。やるべきことは何ら変わらない。(長谷川 凡記)

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