新井氏が見たセ・リーグ序盤戦 際立った巨人・原監督「動」と「不動」の采配バランス

[ 2019年5月9日 09:00 ]

坂本勇(右)とハイタッチする原監督(撮影・島崎忠彦)
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 【新井さんが行く シーズン編】先月はパ・リーグに触れたので今月はセ・リーグについて。開幕から1カ月強、首位に立つ巨人で印象的なのは、原監督の采配だ。序盤から大差をつけた6日のDeNA戦では3回から丸、6回から坂本勇をベンチへ下げた。もし反撃されたら…と怖がらない。少し調子を落としたゲレーロ、ビヤヌエバの両助っ人も迷わず登録から外し、代わりに若手を抜てき。今を戦いつつ、今だけでなく先も見据えている。

 決断がスピーディーで、腹の据わり方が違う。決断とは、結果責任を背負うことだと思う。監督としてのキャリアは改めて言うまでもない。現役時代から巨人の4番で、さまざまなものを背負って経験を積み重ねてきた方だ。「さすがです」の言葉しか出てこない。

 岡本については少々結果が出なくても4番から外さないように「動」と「不動」のバランスが絶妙だ。マウンドへ行って直接激励するなど随所でメッセージも発している。ベテランも若手も関係なく普段からチーム内に考え方を浸透させているから、選手も安心感を持って戦えると思う。

 出遅れていた広島は持ち直してきた。会沢の存在が大きいと思う。開幕前からキーマンとして名前を挙げてきた。彼は自分さえ良ければ…という考え方を全く持っていない。広島へ復帰してから引退するまでの4年間、元々親交のあった石原を別にすれば、最も多く話をしたのが実は会沢だった。よく食事にも行ったし、いろいろな話をした。言葉の端々から仲間や和を大事にする姿勢が伝わった。捕手として選手会長としてグラウンド内だけでなく、グラウンド外でもリーダーシップを発揮している姿が目に浮かぶ。

 阪神の戦いぶりもセ・リーグを盛り上げてくれそうだ。元々救援陣を中心に投手力はあった。野手でも近本ら若手が躍動している。結果を出した時に矢野監督が一緒になって喜んでくれることも選手にとってはうれしい。どのチームも勝負は夏以降だと思う。令和元年。ファンの皆さんにとっても面白いペナントレースになる。

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2019年5月9日のニュース