花咲徳栄・野村ジェームス “ミレニアム世代”主役候補が大暴れ

[ 2017年8月17日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権大会第8日   花咲徳栄9―3日本航空石川 ( 2017年8月16日    甲子園 )

7回表2死、花咲徳栄・野村は左越えにソロ本塁打を放つ
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 今秋ドラフト候補の3番・西川よりも先に甲子園に初アーチを描いた。花咲徳栄の2年生4番・野村は「西川さんにいい当たり(大飛球の中飛)が出たので、(本塁打を)欲しがって打ってしまった。どちらが先に本塁打を打つか競っていた」とにやりと笑った。

 5―0の7回。「スライダー一本。2死なので狙った」と読み切った一振りは左翼席に消えた。今大会通算40号。自身は高校通算27号となるダメ押しの一発だ。9回にも右前打を放ち、2試合連続の3安打。一塁を守るが、投手としても最速144キロを誇る「二刀流」の来秋ドラフト候補が全国の舞台であいさつ代わりの大暴れだ。

 早実の2年生4番と同じ野村姓で同じ右打ち。「少し意識する」と話すように清宮、西川とプロ注目の左の強打者の先輩の後を打つ境遇も似ている。西川は後継者として移動中のバスで必ず野村を隣に座らせる。打撃練習も2人は常に一緒で野村は打撃フォームも西川のタイミングの取り方を参考にする。

 父・真也さん(47)の仕事の影響で3歳まで米国で過ごした。「英語は話せない」と笑うが、10段階評価で「7」。得意な国語は「10」だ。帰国後に住んだ群馬では4年前の13年に前橋育英が全国制覇した時、テレビの前で応援していた。くしくも、その前橋育英と次戦19日の3回戦で対戦する巡り合わせとなった。

 「西川さんとの夏を終わらせたくない。(前橋育英との対戦は)夢のようだけど、絶対負けたくない」。同級生からミドルネームの「ジェームス」と呼ばれる大砲が、ミレニアム世代の主役となる。 (東尾 洋樹)

 ☆野村ジェームス佑希

 ☆生まれ&サイズ 2000年(平12)6月26日、米国ミシガン州生まれの17歳。1メートル85、87キロ。右投げ右打ち。

 ☆国籍 両親は日本人だが父・真也さんの仕事の影響で米国で生まれたため、日本と米国の二重国籍。日本の国籍法では22歳までにどちらかを選ぶ必要がある。

 ☆球歴 小2から剛志ジュニアーズで野球を始め、太田市リトルシニアでは投手兼三塁手。花咲徳栄では1年秋からベンチ入りして4番に座り、背番号3。

 ☆二刀流 今夏の埼玉大会で登板機会はなかったが、投手として最速144キロ。

 ☆将来の夢 プロ野球選手。好きな選手はソフトバンク・柳田。

 ☆趣味 漫画を読むこと。好きな漫画は「ONE PIECE」「弱虫ペダル」。

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