JR東日本・田嶋 1安打完封 日米13球団スカウトの前でドラ1候補快投

[ 2017年7月17日 05:30 ]

第88回都市対抗野球第3日・1回戦   JR東日本3―0伏木海陸運送 ( 2017年7月16日    東京ドーム )

<JR東日本・伏木海陸運送>力投するJR東日本・田嶋
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 JR東日本(東京都)の今秋ドラフト1位候補左腕、田嶋大樹投手(20)が初戦から快投だ。伏木海陸運送(高岡市)を相手に1安打完封。自身の都市対抗初勝利を挙げた。Honda(狭山市)は新人の1番打者、木浪聖也内野手(23)が先制3ランを含む2安打4打点の活躍。Honda熊本(大津町)も2回戦に進んだ。

 9回のマウンド。スコアボードを見上げて田嶋は初めて意識した。「1安打か」。空振り三振、投ゴロで2死とし、最後は南部を中飛に仕留めた。完封でチームを3年ぶりの初戦突破に導き「かなりプレッシャーはあった。本当にホッとしています」と安どした。

 直球は最速152キロを誇るが、この日は140キロ台中盤に抑え、打者の手元で微妙に変化するカットボールを駆使。奪三振7を上回る、12個のゴロアウトを奪った。試合時間1時間52分は今大会最短。「ノーヒットとかいらない。打たせて取る投球ができたのが良かった」とうなずいた。

 反省が生きている。昨年の王子との初戦。9回まで無失点も、延長10回にサヨナラ2ランを浴びた。167球の熱投をねぎらう声が多かったが「球数が多くなって自分も野手もテンポが悪くなった」。今大会2次予選では4戦中3戦で完投勝利を収めた。堀井哲也監督は「力任せでは駄目。それに気づいた」と成長を認める。

 佐野日大では3年春のセンバツで4戦560球を投げ、4強入り。ドラフト候補に挙げられたが「技術も体力も足りない」とプロ志望届は出さずに社会人入りした。日米13球団のスカウトの前で、改めて社会人No・1左腕の実力を証明。「目標は優勝。しっかり会社に貢献したい」と気合を入れ直した。 (馬渡 雄介)

 ▼西武・鈴木葉留彦球団本部長 ドラフト1位でいかないと取れないのは間違いない。(先発ローテに)ちょっと手を加えれば十分入れる。

 ▼広島・苑田聡彦スカウト統括部長 カットボールは右打者は本当に打ちづらいだろう。直球と同じ軌道でぐっと入ってくる。

 ▼中日・中田宗男スカウト部長 バランスにリズム全てが良かった。文句なし。

 ▼ヤクルト・小川淳司SD あんな良い投球を初めて見た。これを続けてくれれば1位候補になる。

 ◆田嶋 大樹(たじま・だいき)1996年(平8)8月3日、栃木県生まれの20歳。鹿沼ボーイズで中3時に世界選手権に出場し銅メダル。佐野日大では3年春の甲子園で4強入りした。15年にJR東日本に入社。同年のBFAアジア選手権、昨秋のU―23W杯で日本代表入り。1メートル82、75キロ。左投げ左打ち。

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2017年7月17日のニュース