雄平 則本止めた!4安打V打 “三振しても勝てばいい”積極打法

[ 2017年6月16日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   ヤクルト6―2楽天 ( 2017年6月15日    神宮 )

<ヤ・楽>6回2死満塁、雄平は則本から右中間に2点二塁打を放つ
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 ヤクルトが楽天・則本昂大投手(26)の快進撃を止めた。15日、8試合連続2桁奪三振でプロ野球記録を更新中の右腕と激突。交流戦で12球団最低のチーム打率・222の打線が、決勝二塁打を放った雄平外野手(32)を中心に難敵を攻略した。則本は7回6失点で、8奪三振にとどまった。

 二塁ベース上の雄平が、誇らしげに胸を張った。一塁ベンチへ右手を突き上げる。則本を攻略した。チームの狙いが結実した瞬間だった。

 「まさかの則本打っちゃった。ランナーを還すつもりだった」

 同点の6回だ。2死満塁までこぎつけたチームメートに4番が応えた。真ん中低めのフォークを「うまくすくい上げられた」と右中間へ。2者が生還した。1、2打席目に続き、則本からは3打数3安打。「真っすぐに負けないようにと思っていた」。5月4日の阪神戦以来の4安打でチームをけん引した。

 敵地で行われた5月24日の広島戦。雨天のため室内練習場での打撃練習を終えると、真中監督に呼ばれた。約15分。2人きりで打撃指導を受けた。「見ていて感じたことを伝えただけ」と指揮官ははぐらかしたが、川端、畠山を欠く中で4番に座っていた雄平への期待の大きさを感じさせる熱血指導だった。

 記録が懸かる則本に、負傷離脱者の多いチームは束で挑んだ。試合前のミーティングでは、三木ヘッドコーチが「待っていても崩れない。こっちから仕掛けよう」と積極性を確認。右腕目当てに多くの報道陣が詰めかけたが、円陣では坂口が「三振記録を更新されても勝てばいい」とナインに冷静さを訴えた。

 1点を追う5回には、1死三塁からスクイズ。「則本は簡単には点を取れないイメージだった」と真中監督。大引がしっかりと一塁線に転がし、同点とした。動揺したかのように則本は6回に崩れた。値千金の一打を放った雄平も「(ベンチの意図を)感じました。いい野球ができた」とチーム力を強調した。

 三振しないことではなく勝利に徹した結果、記録も阻止した。パ・リーグ首位の楽天に連勝し、7カードぶりの勝ち越しで交流戦最下位を脱出。この1勝を浮上のきっかけとしたい。 (川手 達矢)

 ≪三振数今季セ最少≫則本から2安打放った坂口(ヤ)はこの日を含め27打席で25打数8安打、打率・320と好相性。三振も13年に2度喫しただけで三振率は・074。則本と20打席以上対戦した打者では吉村(ソ)20打席1三振、三振率・050に次ぎ三振率が低い。また、決勝打を放った雄平(ヤ)も昨年3打席対戦し三振は0だった。ヤクルトのチーム三振数は415で今季セ・リーグで最も少ない数字になっている。

 ≪16日パ4勝2分けで8年連続勝ち越し≫今季交流戦の対戦成績は、最終カード18試合を残しパ49勝セ40勝1引き分けとなった。16日にパ・リーグ勢が5勝以上、もしくは4勝2分けなら、8年連続でパの勝ち越しが決定する。交流戦は05年から行われているが、09年を除き全てパが勝ち越している。なお、賞金は勝ち越したリーグの6球団と12球団の最高勝率チームに贈られる。

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