楽天・則本 世界記録目前の“落とし穴” 嶋負傷交代で荒れた3暴投

[ 2017年6月16日 07:50 ]

日本生命セ・パ交流戦   楽天2―6ヤクルト ( 2017年6月15日    神宮 )

<ヤ・楽>6回2死二、三塁、グリーンから三振を奪ったものの暴投となり、三走・山田の生還を許す則本
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 大記録が止まった。楽天・則本は6回を終えて4失点も、8三振を奪っていた。しかし7回。1死二塁から原樹のバント処理で三塁へ悪送球し、勝負を決定づける5点目を失った。この回は三振を取れず、その後も1点を追加されて降板。プロ野球記録更新とともに、メジャーリーグ記録をも超える9試合連続2桁奪三振を逃した。同時に、自身の連勝も7で途切れた。

 「ミスが重なった。負けて当然。記録はいつか途切れるもの。チームを勝たせられなかったことが悔しい」

 初回に山田を155キロ速球で見逃し三振させるなど「入りは悪くなかった」。だが、5回。無死一塁からグリーンに投げた3球目のフォークがワンバウンドし、嶋の喉に当たった。正捕手の負傷交代で流れが変わる。5回からの3イニングで今季最多の3暴投と荒れた。

 三重中京大時代に目指し、4年秋の明治神宮大会で1度だけ踏んだ神宮のマウンド。プロ1年目の13年交流戦は6回3失点で勝利投手になったが、投手に四球を出してから失点し、当時の星野監督(現球団副会長)から「最悪だよ」と激怒された。「まだ青いです」と肩を落とした苦い思い出が残る球場。それ以来の登板で「世界一」にはなれなかった。

 記録継続中の8試合は7勝無敗。前のプロ野球保持者の野茂英雄も、メジャー記録保持者のペドロ・マルティネスらも、負けずに2桁奪三振を続けることはできなかった。梨田監督は「勝って達成してほしかったが、責任感を持って投げてくれた」。快挙が色あせることはない。(黒野 有仁)

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