黒田さんの穴はオレが埋める!薮田新兵器スライダー

[ 2016年11月13日 06:30 ]

日南キャンプでブルペン投球する広島・薮田

 広島・薮田和樹投手(24)が、新球スライダー習得に向けて、日々ブルペン投球を重ねている。直球の制球力向上にも力を入れており、充実の宮崎・日南キャンプを過ごす右腕。この日は休養日だったが、天福球場でランニングを行って軽く汗を流した。

 11日まで4日間行われた第1クールで、薮田は毎日ブルペン入り。まだ打者に対しては投げていないが、習得中のスライダーに手応えを覚えつつある。

 「まだ狙ったところには投げ切れてないですけど、変化は結構大きい。楽しみです。特に右バッターに対して、カウント球としても決め球としても使っていきたい」

 プロ入り後の持ち球はカットボール、カーブ、落ちるツーシームの3種だったが、10月のフェニックス・リーグ中に船越から「カットとカーブの間の軌道の球があるといい」と助言を受けて再習得を決意した。

 高校時代にはスライダーを武器にしていた時期もあったが、肘を痛めた際に封印していた。それでも不安がなくなった今、“宝刀”を再び抜く決意をしたというわけだ。ただ、それ以上に力を注がなくてはいけないことがあることも自覚している。CS、日本シリーズで出番がなかった要因となった制球力の向上だ。

 薮田といえば球数が100球を超えても150キロをマークする直球が武器。10日のブルペン投球後には、緒方監督に呼び止められ「直球の質自体は悪くない」と評価された。一方で「球速が155キロあっても甘いところなら打たれる。低めへの投球を意識しなさい」と助言を受けた。畝投手コーチも「まずは真っすぐを低めに決めることを第一にやってほしい。(スライダーは)そこからの上積みとして期待したい」。背番号23は「真っすぐもスライダーもどちらも全力で頑張ります」と力を込めた。

 今季は16試合登板で防御率2・61の好成績。先発した3戦では、いずれもクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以内)を達成した。来季に向け「手応えを感じたので先発をやりたい気持ちがあります。とにかく1軍で投げられることが一番ですけど」と控えめながらも、ローテーション入りへの意欲を示している。

 「黒田さんが引退されたのはチームとしては大きい(痛手)。力になれるようにしたい」。救援した8月4日ヤクルト戦で1回3失点だった翌日に、「もっと自信を持って投げた方がいい」と声を掛けてもらった。偉大な先輩に近付けるよう努力を重ねている。 (柳澤 元紀)

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2016年11月13日のニュース