DeNA 異色“元官僚”2代目球団社長に求められる「魂のこもった」経営

[ 2016年11月13日 10:30 ]

DeNAの岡村新球団社長

 球界では異色の経歴と言えるだろう。10月16日。DeNAは2代目となる球団社長に岡村信悟氏(46)の就任を発表した。東大大学院卒で、総務省では情報通信分野に長く携わった経歴を持つ。「強いベイスターズを支える経営基盤の確立を目指す。球団と球場の一体経営をさらに推進し、コミュニティボールパーク化構想の具体化や新たな名物飲食の提供など、横浜スタジアムに何度も足をお運びいただけるよう工夫を凝らしていく」と所信を述べた。

 南場智子オーナー(54)肝いりの抜てきだった。「自分が前に出るよりもチーム組織を盛り上げて推進していくというタイプ。人柄や能力は満点で私はものすごく尊敬しています」。実は岡村氏は今年4月、DeNA本社に入社したばかり。同オーナーが本社社長時代に、総務省に勤めていた岡村氏とカウンターパートとして仕事をした際に「魂のこもった仕事ぶりに事業をやらせたら凄いだろうなと思った」とほれ込んだ。そこから7年間も追いかけてヘッドハンティングに成功したという。

 就任が発表された翌17日。横浜市内の球団事務所で報道陣に対応した岡村新社長は「経営者として大きな課題。当然、検討しないといけないこと」と早くも本拠地・横浜スタジアムの改修に言及した。今季の主催試合の観客動員は、球団史上最多の193万9146人。座席稼働率は93・3%、完売は31回を数えた。チケットが手に入らない状況になっており、需要に応えるには座席数を増やすしかない状況で「(78年に開場して)約40年前の球場のまま。何とかしたい」と意欲を見せた。

 前任の池田純前社長(40)のもと、横浜スタジアムの買収を成功させたDeNA。球場運営権は球団が取得した一方で、球場施設は横浜市が所有するために改修には行政との連携が不可欠となる。“元官僚”という異色の経歴を持つ2代目・岡村新社長がどのような経営手腕を発揮するのか、大きな期待がかかる。(記者コラム・中村 文香)

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2016年11月13日のニュース