清宮“悪夢”払しょく!プロ注目左腕から3の2で2得点

[ 2016年11月13日 05:30 ]

明治神宮野球大会第2日 ( 2016年11月12日    神宮 )

<静岡・早実>1回1死一塁、右前打を放つ清宮(投手・池谷)

 早実(東京)の清宮幸太郎内野手(2年)が初戦となる静岡(東海)との準々決勝で3打数2安打2得点と活躍し、勝利に貢献。準決勝に進んだ。3日の秋季東京都大会決勝で左腕に苦しみ、5打数5三振を喫したが、この日はプロ注目の左腕・池谷蒼大投手(2年)を攻略。来秋ドラフトの目玉は全12球団のスカウトが駆け付ける中、存在感を示した。全国の舞台は1年生だった昨夏の甲子園以来。主将として「全国初勝利」となった。

 勝負どころで集中力を高めた。3―3で迎えた7回2死、清宮は内角直球を捉えた。ライナー性の打球は右翼フェンスを直撃。勢いよく跳ね返ったために単打に終わったものの、激走を見せたのはこの後だった。

 「行けると思った。一つでも進むことでプレッシャーをかけられる。いい走塁ができた」。暴投の間に一塁から一気に三塁に進み、小西の適時打で勝ち越しの生還だ。

 「悪夢」も振り払った。秋季東京都大会決勝・日大三戦ではサヨナラ勝ちで優勝したが、自身は左腕・桜井のスライダーに苦しめられて5三振。「あの時はマジか…と思った。あんな経験は初めてで自分の悪いところが全部出た」。静岡のエースは最速144キロを誇るプロ注目の左腕・池谷。桜井と同じくスライダーを操る。清宮は「同じ失敗は二度と繰り返したくない」と大会前に映像を見直し、かかと寄りになっていた重心を修正する練習に取り組んだ。

 ポールの上にボールを置くティー打撃。外角低めに設定し、踏み込んで打つことで体の開きを抑える意識を染み込ませた。初回、外角低めのスライダーを捉えて右前打。相手の武器を叩き、チーム初安打で勢いづけた。2打席目には死球を受けたが「体が開いているとのけぞってしまう球。あの死球は良い傾向」と手応え。公式戦では5試合ぶりのマルチ安打となり「久しぶりのヒットだったので、後輩からも“前に飛びましたね”とか言われた」と苦笑いした。

 約束を果たす1勝でもあった。東京都大会決勝で副将・福本が走塁の際に右肩を脱臼し離脱した。清宮は「明治神宮大会1勝と1号を待ってるよ」と送り出され、本塁打こそ出なかったが、試合に勝った。斎藤佑樹(現日本ハム)を擁した05年以来の4強。「一戦一戦、持てる力を出し切って勝つ。そのスタイルを変えずにいきたい」。苦手の左腕を克服した主砲が自信を取り戻した。 (松井 いつき)

 ▼早実・和泉実監督(清宮は)前の試合は追い掛けていたが、(今日は)ボール球に手を出さなかった。

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2016年11月13日のニュース