広島・新井 ミス帳消し同点打 6回に送球ポロリ「“クソッ”と」

[ 2016年8月1日 05:30 ]

<広・D>7回1死一、二塁、敵失で生還し、ガッツポーズの二走・新井

セ・リーグ 広島6―4DeNA

(7月31日 マツダ)
 広島・新井は二塁ベース上で何度も拳を握り、叫んでいた。2―4の7回1死一、三塁で左中間を破る同点の2点二塁打。試合を振り出しに戻したとはいえ、こんなオーバーアクションは珍しい。うっぷんを晴らす一打に咆哮(ほうこう)が止まらなかった。

 「自分のつまらないミスで追加点を与えてしまったので、自分自身にずっと“クソッ”と腹が立っていた」

 6回の守りで2―3とひっくり返され、なお2死二塁で倉本の遊ゴロで田中からの送球をポロリ…。二塁走者の生還を許す適時失策でビハインドを2点に広げていたため、自分自身にハラをたてていたのだ。

 それでも、打席に入るときには落ち着きを取り戻していた。気が立っている様子を察知した緒方監督になだめられた。「監督に“リラックスしていけよ”と言われていた。冷静にならなきゃいけない、力を抜いていかないといけないと思えた」。冷静と情熱の間で放った同点打だった。

 そのまま負けていれば今季初となる3連敗だった。まだまだゲーム差があるとはいえ、2位の巨人がデーゲームで勝利して3連勝を決めており、そんな些細なムードすら漂わせたくなかった。

 「きのう、おとといとやられていたので、みんなの意地が勝ちにつながった」

 7月は61打数27安打の打率・443、7本塁打、24打点。勝負どころで頼りになる。快進撃を支えているが「若い選手の中で必死になって頑張っている。自分が引っ張ってもらっている感じ」と謙そんする。

 シーソーゲームを制した緒方監督は「選手の成長を感じるものがあった。きょうのような試合を数多くやっていきたい。チーム一丸で勝ち取った勝利」と手応えを示した。8月もまだまだ、新井を中心とした赤ヘル打線の勢いは止まりそうもない。 (柳澤 元紀)

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2016年8月1日のニュース