大谷「会心」13号 首位ソフトB連破で最接近3差 最大11.5差から猛追

[ 2016年8月1日 05:30 ]

<日・ソ>初回無死二塁、同点2ランを放ち雄叫びを上げる大谷

パ・リーグ 日本ハム6―3ソフトバンク

(7月31日 札幌D)
 鷹の背中がはっきりと見えた。日本ハムは31日、ソフトバンクに6―3で逆転勝ち。初回に3点を先制される苦しい展開だったが、その裏の攻撃で大谷翔平投手(22)の左中間13号2ランなどですぐさま同点に追い付き、6回に3点を挙げて勝ち越した。チームは球団記録を更新する11カード連続勝ち越し。最大11・5あった首位・ソフトバンクとのゲーム差を3と縮めた。

 初回、岩崎が投じたこの日のトータル5球目だった。3番・大谷が岩崎から放った打球は左中間スタンドへ一直線に伸びた。自己最多をさらに更新する13号2ラン。電光石火の同点劇。満員の札幌ドームが歓喜に酔いしれた。

 「フォークをボールにしてくると思ったけど浮いてきた。狙い通り、会心の一発だった」。右手中指のマメをつぶし、当初なら先発予定だった一戦。加藤が2週連続で大谷の代役を務めた。初回に4連打を浴び3失点したが、直後に先頭の岡が3球目、西川が初球を叩いて2者連続二塁打、すぐさま1点を返すと、大谷も初球を仕留めた。

 岩崎とは今季初対戦だった。早いカウントから岡がスライダー、西川が直球を叩き、別の球種で入ると推測した。「一方的な展開になりかけたけど、すぐ追いつけたことは良かった」。打線は同点の6回に3点を勝ち越して快勝。最大11・5あった首位・ソフトバンクとのゲーム差は3に縮まった。

 7月24日のオリックス戦(札幌ドーム)で中継ぎで投手として復帰したがマメの回復は思うように進んでいない。前日に加藤から「3本くらい本塁打を打ってくれ」と援護を求められ、結果で応えた。そのマメの影響で投手で出場できなかった球宴では代わりにオリックス・塚原が2連投を余儀なくされた。7月22日のオリックス戦(札幌ドーム)の試合前、自身も愛用する約50万円の低周波治療器「フィジオアクティブHV」(酒井医療社)を塚原に直接手渡した。自分のせいで迷惑をかけて申し訳ないとの思いからだった。

 チームは首位・ソフトバンク戦は3カード連続勝ち越し。球団記録の連続カード勝ち越しを11に更新した。交流戦を除いたリーグ戦に限れば48勝27敗1分け、勝率・640で46勝26敗4分けで勝率・639のソフトバンクを上回った。大谷の野手59試合で13発はシーズン換算すると31発ペース。自己最多の58安打にもあと1本とした。栗山監督は「まあ、普通ですね」と素っ気ないが、表情は自然と緩む。「基本的には本塁打は狙わないけど、自信がある時、いけると思った時は狙いにいく」と大谷。はっきりと見えた鷹の背中。パ・リーグを熱くするのはやはり大谷だ。(柳原 直之)

 ≪殊勲アーチ6本中5本は第1打席≫大谷(日)が初回に13号同点弾。肩書付きの殊勲アーチは今季6本目(先制3本、逆転、勝ち越し、同点各1本)になるが、うち5本が第1打席と試合開始直後の集中力が光る。また、パの本塁打ランクで9位タイに浮上し、6月10日以来の10傑復帰。大谷の本塁打率(本塁打1本に要する打数)は12・4となり、パの本塁打10傑選手の中ではメヒア(西)の13・6を抑えトップと少ない打数で本塁打を量産している。

 ≪月間17勝以上は52年ぶり3度目≫チームは今月17勝。日本ハムの月間17勝以上は
 年・月 勝  分 敗  勝率
61・9 18(2)5 ・783
64・8 17 ―10 ・630
16・7 17 ― 4 ・810
 と52年ぶり3度目。貯金13は61年9月に並ぶ球団最多タイ記録だ。

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