阪神 単独4位浮上!代打狩野が逆転V撃 金本監督「僕のミス救ってくれた」

[ 2016年8月1日 05:30 ]

<神・中>7回2死一、二塁、代打・狩野が左翼線に逆転の2点二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神6―1中日

(7月31日 甲子園)
 今年の代打の神様も、ええ仕事しまっせえ! 阪神・狩野恵輔外野手(33)が0―1の7回2死一、二塁で、代打で左翼線を破る逆転の2点二塁打。今季先発では3戦3敗だった中日・ジョーダンをついに沈めた。6月20日以来の単独4位に浮上。今季初となる月の最終戦を白星で飾り、意気揚々と2日から夏の長期ロードに向かう。

 神風に乗った。試合中盤は無風を示していたバックスクリーンの旗が、狩野の登場とともに突如右翼から左翼への浜風が発生。左翼線を切り裂いた打球は、幸運にも後押しされていた。

 「きょうは本当に岩崎の投球を見てて、どうにかして返そうと思った。100点です!」

 0―1の7回、江越の遊ゴロ併殺打で2死無走者となったが、中谷と北條の連打で再び一、二塁と築いた好機。岩崎の代打で登場した。若手の奮闘に、岩崎の好投に応えないような男じゃない。

 「ゲッツーから2人がつないでくれたので。真っすぐ1本で絞って。狙うなら引っ張って行こうと思って、思い切って行った」。1ストライクから、ジョーダンの高め直球を左翼線へ2点二塁打。値千金の逆転打に塁上で何度も手を叩いた。

 昨季に代打の切り札的な存在で台頭したが、胸の内の危機感は消えることはない。「良い準備をするだけなんだけど、一言では言えないからね。僕らはチャンスで打席をもらう立場。単に凡退っては言えないでしょ」

 オフの清水、西田との淡路島自主トレでは道具の準備も率先して行い、誰よりもバットを遅くまで振り込んだ。育成から這い上がった苦労人だからこそ知る経験も惜しみなく伝えた。

 「結果が出なくて、野球がつらい時があるかもしれない。大事なのは、そのときにどう自分と向き合うか」。居場所をつかみつつある今もなお、地道な努力と最善な準備を尽くす日々だ。

 金本監督も感謝の念を惜しまない。適時打の直前に江越が併殺打に凡退した場面を挙げ、「僕もミスなんですけどね。江越のところで、あそこでどういうバッティングをするのか期待してね。今後を少し考え過ぎましたね。それをね、中谷と北條がつないで、狩野がひっくり返すというね。本当に僕のミスを3人が救ってくれました」。

 7月は、8打数3安打(打率・375)で終えた。黄色いユニホームをまとった『ウル虎の夏』を5勝1敗としたチーム同様、背番号99も波に乗りつつある。

 「次(甲子園)に来るときは、1つでも順位を上げていられるよう頑張ります」

 単独4位浮上で、2日から長期ロードに突入する猛虎を試合を決める一振りでけん引する。 (久林 幸平)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ(決勝打の狩野に)調子は良いけど結果が出なくてモヤモヤしていたところで、ジョーダンの真っすぐに差し込まれずに狩野らしい良いスイングをしてくれた。

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