主砲よりイチロー見たい 異例コールも途中出場2タコ

[ 2016年8月1日 05:30 ]

<マーリンズ・カージナルス>チームメートと試合前の儀式を行うイチロー

ナ・リーグ マーリンズ11―0カージナルス

(7月30日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(42)は30日(日本時間31日)、カージナルス戦に6回の右翼守備から出場し、2打数無安打。メジャー3000安打到達は持ち越された。

 あり得ない光景だった。4回1死一塁、打席には地元の看板打者の4番スタントン。ここで、マーリンズベンチがある三塁側スタンドを中心に「イチローコール」がわき起こった。直前の3番イエリチの適時打で8―0に。歴史的快挙を目の前で見たいファンが過熱して「もうスタントンを休ませてイチローを出してくれ」と望み、生まれたコールだった。

 イチローは結局、6回にスタントンに代わり右翼守備から出場。2万5011人の観衆に、この日一番の歓声で歓迎された。しかし、その歓声を沈黙に変えたのは、03年のメジャーデビューから8球団を渡り歩き、故障明けの今季はこの試合が初登板となった苦労人ウィリアムズだ。「残り2本になっているのは知っていた。その2本を許す投手になりたくなかった。とにかく攻めることを心掛け、作戦通りに投げた」。動く速球とチェンジアップを駆使。イチローは6回は二ゴロ、8回には左飛に倒れた。

 米独立リーグや台湾球界も経験した34歳右腕は、過去にイチローと23打席対戦し通算打率・273。フィリーズ時代の昨季は7打数4安打と打ち込まれ、完全アウエーの大歓声の中でも「もっと大きな歓声の中で投げたこともある。集中して投げた」と胸を張った。 (笹田幸嗣通信員)

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2016年8月1日のニュース