【それぞれの夏】福島商 10年ぶり初戦敗退 “天職”見つけた大黒柱

[ 2016年7月13日 08:01 ]

<福島商・福島西>9回1死一、三塁、右前へ適時打を放つ福島商・秋山

第98回全国高校野球選手権福島大会2回戦 福島商6―7福島西

(7月12日 あづま)
 8度の夏甲子園出場。県最多の夏197勝を挙げている福島商だが、今回は10年ぶりの初戦敗退を余儀なくされた。

 最後まで意地は見せた。9回。2点差まで追い上げ、なお1死一、三塁で4番の秋山拓人(3年)が打席に立った。「後がないので打つしかない」と初球を右前に運んだ。この日2本目の適時打で1点差に迫ったが、後が続かなかった。

 打撃の良さを買われて昨夏の大会途中、内野手から転向後1年足らずの捕手としてレギュラーに定着。秋からは不動の「4番・捕手」。仲間からは「頼りがいがありすぎる存在」として言葉よりもプレーでチームを引っ張った。

 捕手として「周りが見えるようになった」と振り返る。「投手を楽にしたい」という思いが観察眼を研ぎ澄ませ「守備位置一つで取れるアウトもある」と細かく味方に指示を出す。後輩が多い投手陣対し、しきりにマウンドに駆け寄って声を掛けた。「監督さんに教えられて成長できた」と、菅原裕一監督(47)への感謝を忘れない。

 進学か、就職か。「決めてないけど野球はやる」と進路はこれから考える。「通用するのはキャッチャーしかない」と捕手一本で勝負する意向。高校3年間で見つけた天職で、伝統校の大黒柱は高みを目指すつもりだ。(池田 翔太郎)

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2016年7月13日のニュース