【岩手】王者花巻東を撃破　完投の盛岡工・安保　ライアン投法に変えたワケ

＜花巻東・盛岡工＞１失点完投勝利を挙げた盛岡工・安保

第９８回全国高校野球選手権岩手大会２回戦 盛岡工３―１花巻東

（7月12日 岩手県営）
　ノーシードの盛岡工が２回戦で昨夏王者の花巻東から大金星を挙げた。殊勲は「みちのくのライアン」こと安保（あんぼ）だ。４安打１失点で完投し、「気持ちを込めて投げた結果。真っすぐで押せたし、変化球も使えた」と会心の笑みだ。

　１メートル６６の小兵右腕。今春県大会前に、フォーム改造に乗り出した。ヤクルト・小川のように左足を肩の高さまで上げ、トルネード気味にひねりも加えた。「勢いを付けて投げたら相手も怖いかなと。威嚇する意味もあって」とシャドーピッチングを繰り返し、自己流でフォームを固めた。冬場は連日ウエートトレーニングに励み、体重は６キロ増の６８キロ。球速は１３０キロ台後半まで上がった。

　花巻東の４番は今秋ドラフト候補に挙がる１メートル９１の大型右腕・千葉。二刀流の「大谷２世」は登板せずに投げ合うことはなかったが、打者として対戦した。２５センチ差の強打者にも「同じ高校生。全力で投げようと思った」と４打数無安打に封じた。創部７０周年の節目の年に８２年以来３４年ぶりの甲子園へ。安保は「優勝を目指す」と、気勢を上げた。　（川島　毅洋）