楽天ペレス 登録即デビュー弾 球団史上初の初打席!しかもV弾

[ 2016年7月13日 05:30 ]

<西・楽>極端なオープンスタンスから名刺代わりの一発を放ったペレス

パ・リーグ 楽天5―1西武

(7月12日 西武プリンス)
 球団史に名を刻んだ!楽天のフェリックス・ペレス外野手(31)が12日、西武戦に「3番・左翼」で来日初出場。初回の初打席で左中間に2ランを放つ離れ業をやってのけた。初打席本塁打は日本人も含め球団史上初の快挙だ。前日11日に獲得が発表され、この日に入団会見を行ったばかりの助っ人の活躍で、チームは連敗を3でストップ。西武を抜いて4位に浮上した。

 両軍のファンがどよめいた。まさに「名刺代わり」の放物線だった。ペレスが放った打球は失速することなく西武プリンスドームの左中間フェンスをオーバー。初打席本塁打の一発が決勝弾にもなり、試合後は感慨無量の表情で喜びを語った。

 「レベルの高いリーグだし、いきなり本塁打を打つことは誰にでもできることではない。これまでで一番印象的な一発。この先もありえない」

 前日11日に球団が獲得を発表したばかり。この日に敵地で即席の入団会見を行い、いきなり「3番・左翼」で先発出場した。初回1死一塁の来日初打席。極端なオープンスタンスとバットを頭上で何度も回す独特の打撃フォームで、1ボール1ストライクからの3球目、ポーリーノの148キロ直球を初スイングで左中間席に運んだ。その後は6、7回に連続で見逃し三振に倒れるなど、4打数1安打に終わったが、鮮烈なデビューを飾った。

 キューバ出身の左の大砲は11、12年の2年間はレッズ傘下のマイナーで、同郷の「世界最速左腕」のチャップマン(現ヤンキース)とチームメートだった。オフに合同自主トレも行い、3歳年下ながらプロ意識の高い左腕から刺激も受けた。メジャー経験には恵まれなかったが、その後もひたむきに野球と向き合い、今季はメキシカン・リーグのモンテレーで打率・315、14本塁打、53打点。「夢だった」という日本行きの切符を手にした。

 初打席本塁打は日本人も含めて球団史上初。外国人では12、13年にベネズエラのウインターリーグで同僚だった西武・メヒアが14年に記録して以来だ。チーム本塁打は12球団最少40本。連敗を3で止めて4位に浮上した梨田監督は「チーム本塁打が少ない中で、期待している」と目を細めた。

 ヒーローインタビューでは「イッチョケンメ(一生懸命)、ガンバリマス」と覚えたての日本語を披露して歓声を浴びた。ジャイマ夫人(26)と長女のチャンタルちゃん(4)は今月末に来日予定。年俸1500万円で背番号「98」。ジャパニーズドリームをつかむ。 (山田 忠範)

 ▼西武・潮崎ヘッドコーチ(ペレスは)試合前にビデオは見た。(メヒアら)ウチの選手も(以前から)知っていたし、いい選手というのは分かっていた。

 ◆フェリックス・ペレス 1984年11月14日、キューバ生まれの31歳。08年4月に亡命。10年からレッズ傘下マイナーでプレーしたがメジャー経験はなし。今春キャンプではオリオールズの招待選手だったが昇格を果たせず、メキシコリーグ・モンテレイでプレーしていた。3A通算4シーズンで打率.278、26本塁打、175打点。1メートル86、86キロ。左投げ左打ち。今季年俸は1500万円。

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