これが虎の現実…止まらないミスミスミス

[ 2016年7月9日 05:30 ]

<神・広>初回2死一、三塁、ルナ(左)に重盗で生還を許してぼう然の岡崎と藤浪(手前)

セ・リーグ 阪神2―8広島

(7月8日 甲子園)
 みすみす勝利を手放した。重盗を仕掛けられた際に生じた凡ミスは、小雨が降り続く悪天候でも駆けつけた熱烈な虎党も、あ然とするしかなかった。

 問題の場面は初回だ。2四球と二塁打が絡み、2死満塁で急成長株の鈴木を迎えた場面で、まず一つ目のミス。藤浪の外角低め153キロを捉えた鈴木の打球は左前へ。走者2人の生還を許した一打を捕球した左翼手・江越が送球時にファンブル。先制点を献上した挙げ句、一塁走者に三塁まで進まれてしまい一、三塁の形を作ってしまった。

 すると、7番・安部に投じた4球目、一塁走者・鈴木がスタートを切る。ボールを受けた岡崎の送球は、二塁ベースの右側に位置していた二塁手・大和に、中途半端なものとなり、三塁走者・ルナは悠々とした足取りで生還。痛恨のミス。本塁付近で茫然と立ち尽くす岡崎は、顔色を失った。

 「(重盗の場面は)作戦のことなので言えないですが、僕が結果的に晋太郎の足を引っ張ってしまった。僕の責任です」

 金本監督も「コーチ陣がチェックしているけど、やっぱり(重盗を許すのは)情けないプレー。恥ずかしい。三盗されるのもね」と吐き捨てた。

 打席に左打者を迎え二盗を仕掛けられた場合、二塁ベースカバーには遊撃手が入ることがセオリーとされる。大和、鳥谷のいずれかが、本塁方向に近づいた位置でカットし本塁突入を阻止する構えだったのかもしれない。「作戦のことなので…」(高代ヘッドコーチ)、「それ(重盗の場面)は言えない」(久慈内野守備走塁コーチ)、「ちょっといろいろ…。作戦のこともあるから。申し訳ないけど…」(矢野作戦兼バッテリーコーチ)。一様に口を閉ざした。

 3回にもミスから失点した。先頭丸のゴロを二塁手・大和が失策し1死を挟んでから三盗と犠飛で追加点を奪われた。これでチームは再び今季最多タイの借金10となり、今季初めて自力Vの可能性が消滅した。首位広島の背中は遠のく一方だ。

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