マエケン 快投7勝 ヘルニア離脱カーショーのエース代役期待

[ 2016年7月2日 05:30 ]

<ブルワーズ・ドジャース>影も躍動!6回を3安打1失点で7勝目を挙げた前田(AP)

ナ・リーグ ドジャース8―1ブルワーズ

(6月30日 ミルウォーキー)
 ドジャースの前田健太投手(28)が30日(日本時間1日)、ブルワーズ戦に先発し、6回3安打1失点で今季7勝目(5敗)を挙げた。敵地ではめっぽう強く5勝目。チームはこの日、防御率両リーグトップ(1・79)の左腕クレイトン・カーショー投手(28)が、椎間板ヘルニアで故障者リスト(DL)入りする緊急事態に陥った。全治が未定のエースが復帰するまでは前田に懸かる期待は大きい。

 前田が吠えた。5点リードの5回2死一、三塁。この打席まで今季4打数3安打と打ち込まれている11年ナ・リーグMVPのブラウンを迎えた。厳しい局面だったが、内角ツーシームで遊ゴロ。ベンチに戻りながら2度、雄叫びを上げた。

 初登板のミラー・パーク。初回は制球が乱れて安打と四死球で1死満塁とされたが、ここを犠飛による最少失点で切り抜けた。「調子自体は良くなかったけど、味方が点を取ってくれたので、落ち着いて投げることができた」。6回を3安打1失点で6三振を奪った。

 本拠以外では7球場目だが、敵地での初登板は5勝1敗となった。どんなマウンドでも対応できるのが前田の強みだ。その理由が「僕は好きですよ」と語るメジャー特有の硬い土質。「日本のマウンドは軟らかいので、掘れて毎回高さが変わっていく。次の回に投げると、足が着くのがコンマ何秒遅れている感じがする。でもメジャーは硬いので、ミリの差を考えなくていい」と、常に高さが変わらないことを歓迎する。軸足の右膝をほとんど折り曲げず、俗に言う「立ち投げ」に近い前田のフォームも硬いマウンドに合っていた。

 試合前には絶対的エースのカーショーが離脱するニュースが飛び込み、チームは動揺した。ド軍OBの専属テレビ解説者で、通算204勝のサイ・ヤング賞右腕・ハーシュハイザー氏は試合冒頭「前田がエース役を演じないといけない」と語ったが、その期待に応える好投。勝ち星(7勝)も防御率(2・82)もカーショーに次ぐチーム2番目の前田は「チームとしては凄く痛い。みんなでカバーして、自分自身もできるだけ長いイニングを投げてカバーしたい」とフル回転を誓った。

 シーズンの折り返しとなる81試合を消化したが、「意外と早い」とけろっと話す右腕。6ゲーム差の地区首位ジャイアンツ追走へ、前田がチームをけん引する。(ミルウォーキー・奥田 秀樹通信員)

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