則本 夏バテ知らず127球8勝 岩隈監修“秘密兵器”効果

[ 2016年7月2日 05:30 ]

<楽・西>7回2死満塁、秋山から空振り三振を奪い、吠える則本

パ・リーグ 楽天3―2西武

(7月1日 コボスタ宮城)
 今年は酷暑で120球を超えても、トップギアで投げることができる。楽天・則本の眼光が鋭くなった。7回2死満塁で相手は巧打者の秋山。151キロの直球などで簡単に追い込み、最後も豪快に腕を振った。フォークで空振り三振。吠えた。

 「ブルペンから調子はよかったです。自分の悪送球で流れを悪くしてしまったけど、7回まで投げることができました」

 3回に自らの一塁へのけん制悪送球で先制点を与えるなど2失点。それでも味方の援護を信じて腕を振り続けた。6回は浅村、メヒアを連続三振に抑えるなど簡単に3者凡退に抑え、直後に味方が逆転。7回もピンチを切り抜けた。7回までに127球で、8安打2失点(自責0)。粘りの投球で8勝目をつかんだ。

 マウンドでは気迫あふれる投球が持ち味も私生活は堅実。今季は1億5000万円(推定)となったが「プロ野球選手は不安定な職業ですから」と貯金を優先する。そんな男が蒸し暑い夏を見据えて5月下旬に奮発。14年オフに食事をともにしたこともあるマリナーズの岩隈が監修する都内のスポーツスクール「IWA ACADEMY」で約20万円の「高濃度酸素吸入器」を購入した。遠征にも持ち運べるサイズで「凄く疲労がなくなります」と言う。

 一念発起には理由がある。新人で15勝で日本一に貢献した13年は正念場の7、8月に6勝も、14、15年はともに2勝でチームも失速して最下位。今夏は「秘密兵器」を駆使して夏バテを防止し、エースとして君臨する。

 お立ち台で則本は言った。「この勝ちは大きいと思う。これからもチーム一丸で戦っていきます」。7月最初の試合を勝利に導いたエースの言葉に、コボスタ宮城のファンは大歓声で呼応した。 (山田 忠範)

 ▼楽天・梨田監督(力投した則本について)逆球も多くて内容は良くなかったけど、粘り強く投げてくれた。さすが。

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