藤浪 自身のエラーから4失点KO 虎3日にも自力V消滅の危機

[ 2016年7月2日 06:00 ]

<神・中>6回無死、藤浪は亀沢のゴロをエラー

セ・リーグ 阪神2―7中日

(7月1日 ナゴヤD)
 阪神はエースでも負の流れを断ち切れなかった。1日の中日戦(ナゴヤドーム)。先発した藤浪晋太郎投手(22)が序盤を完璧に抑えながら6回に自らの失策から崩れた。6回4失点で4敗目。巻き返しを期して臨んだ7月初戦に敗れ、今季ワーストを更新する借金8へ後退した。2日には再び最下位転落の危機に立たされ、早ければ、3日にも自力優勝の可能性が消滅。正念場が続く。

 まるで別人のようだった。両軍無得点で迎えた6回、完璧だった藤浪の歯車が突如として狂った。

 「どうしても1点もやれないというところで、力みにつながってしまった。その(打線の不調)せいには、できないです。ランナーを出しても、ゼロに抑えないといけなかったと思います。余計なことを考えてしまった」

 4回までは4三振を奪うなど一人も走者を出さない快投。「調子は悪くなかったし、バランスも悪くなかった」。崩壊の扉は自らの失策で開いた。先頭打者の亀沢の投ゴロをファンブルした上、一塁送球もそれた。

 「エラーしてしまって、タッチしようか、トスしようか迷ってしまった」

 続く大島にはヒットエンドランを右前打で決められて一、三塁へ窮地は広がり、平田には初球を右前適時打されて先制を許した。なおも無死一、二塁。ビシエドにはフルカウントから低めのカットボールを左翼席へ運ばれた。

 「コースが甘かったです。高さは悪くなかったんですが、うまく打たれてしまった。もう少し、厳しく投げないといけなかった」

 失策後は1本塁打を含む5連打を浴び、6回を投げ終えて降板を命じられた。完封で4勝目を挙げた6月2日の楽天戦(コボスタ宮城)を最後に白星が遠い。個人的にも4勝4敗となり、“貯金”が消えた。

 藤浪が目覚めさせたビシエドには7回にも伊藤和が適時二塁打を浴びた。対戦成績は13試合で50打数21安打、6本塁打、16打点、打率・420。不振に陥っていた難敵に復調のきっかけを与えた。3連戦の初戦を担うエースの役割も果たせなかった。

 香田投手コーチは「やっぱり亀沢の打球処理だね」と指摘し、金本監督も「自分が招いたミスやけどね。もったいないね。あれでカウントを悪くしてエンドランでね。本当に、あのプレー、ワンプレー。ピッチャーゴロの。どうしたことか…」と嘆いた。今季最悪の借金8へ膨らみ、最下位のヤクルトにも0・5差へ再び迫られた。エースで勝てなければ、逆襲の道は開けない。 (湯澤 涼)

 ▼阪神・矢野作戦兼バッテリーコーチ (藤浪が6回無死一、三塁で平田に初球を右前適時打された場面に)結果としては分かりやすいのかもしれないけれど、(配球には)その前の過程があるから。

 ≪3日にも自力V消滅≫中日に敗れた阪神の借金は今季最多の8に。首位・広島とのゲーム差も今季最大の12・0ゲームとなった。チームは最短で3日に自力優勝の可能性が消滅する。条件は阪神の2連敗、広島の2連勝。

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