西岡にも代打 金本監督執念1イニング4選手投入も…連夜の3安打

[ 2016年7月2日 06:45 ]

<中・神>金本監督(左から2人目)は中日にリードを許し元気なくスコアボードを見つめる

セ・リーグ 阪神2―7中日

(7月1日 ナゴヤD)
 逆転を信じて動いた。敗色濃厚だった6点劣勢の終盤8回。阪神・金本監督はベンチで待機する野手に総動員をかけた。1点を返した直後の2死一塁。3番の西岡に代えて新井を起用した。中日が先発のジョーダンに代えて右腕の又吉を投入すると、迷わず代打の代打として伊藤隼を送り込んだ。

 「まあ、隼太が打ってくれたけど。あそこ(8回)で、あきらめるわけにはいかないから」

 執念の采配だった。1イニングで4選手を代打として投入。最後まで戦う姿勢を示した。西岡にとっては実にロッテ時代の09年7月18日のソフトバンク戦以来となる代打交代。6回までは右打席で無安打だった。その現状から判断して代打交代を決断。試合後に「そう(右打席で無安打だったから)だね」と明かした。

 片岡打撃コーチも「今日は単純に状態が良くなかったから」と付け加えた。代打の代打として打席に立った伊藤隼が唯一の適時打を放って懸命の采配は的中。意地の2点を奪い取ったのが精いっぱいの抵抗だった。

 先発のジョーダンには翻弄(ほんろう)。唯一の好機は初回だった。2死満塁で北條が空振り三振。カウント2ストライクからの4球目、高めに浮いた145キロの速球にバットは空を切った。

 「何だろう…。昨日はワンバウンド、今日は多少は審判が広かったこともあるけど。まあ、相変わらずキレ、145キロを超えたら打てないというね」

 7回までわずか1安打の沈黙に金本監督は苦悩の表情を隠さなかった。必死に対策を立てながらも攻略には失敗し、ジョーダンには先発3度目の対戦で3勝を献上した。今後への苦手意識も懸念材料として残した。

 前日6月30日のDeNA戦(甲子園)では先発の久保康に3安打無得点。主力の沈黙で連夜の3安打だった。「いつも(流れを変えたいとは)思っている」。意地の采配も報われずに7月も黒星発進。梅雨空と同様に虎打線も厚い雲に覆われていた。 (山本 浩之)

 ≪阪神移籍後では初めて≫8回に西岡(神)が代打で途中交代。西岡の打順で代打が起用されるのは13年の阪神移籍後では初めて。日本ではロッテ時代の09年7月18日のソフトバンク戦(千葉)の5回に代打、ランビンを送られて以来7年ぶりだった。

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2016年7月2日のニュース