木田画伯 忘れられない「世界の王」と興奮の初対面

[ 2015年11月19日 12:10 ]

巨人の王監督と対面した思い出を振り返る木田GM補佐

 日本ハム・木田優夫GM補佐(47)による今回の「木田画伯の球界絵日記」は、ドラフトの思い出について。日米通算581試合で74勝、51セーブ、独立リーグでもプレーしたプロ野球人生。1986年のドラフト会議で亜大・阿波野秀幸投手を抽選で外した巨人から「外れ1位」で指名されたことからスタートしました。「世界の王」と初対面したときの興奮は今でも忘れていません。

 10月、ドラフト会議が行われました。僕も会場のテーブルに座らせてもらい、あの緊張感や他球団との駆け引きを味わわせてもらいました。今回、残念ながらクジで2回外れてしまいましたが、結果として明大の上原投手という今までにないスケールの大きな投手を指名できたことは幸せなことだったと思います。

 ちなみに、僕も当時、亜大・阿波野さんを指名したジャイアンツがくじを外して、僕を指名してくれたいわゆる「外れ1位」でした。ジャイアンツはどう思っているか分かりませんが、僕自身はそういう形でもプロ野球に入れて幸せな野球人生を送ってこられたので、上原投手にはくじが2回外れている分、僕の倍以上勝って、倍以上幸せな野球人生を送ってくれると思います。

 上原投手をはじめ、今年は8人の有望な選手を指名させていただきましたが、彼らのファイターズ選手としての初仕事は21日の入団記者会見と翌22日のファンフェスティバルでの皆さんへのあいさつとなります。

 思い起こせば、僕らの時代はドラフト会議が11月末で、入団記者会見が12月下旬に行われていました。なので、ファンフェスティバルなどのイベント参加はありませんでしたが、入団会見の会場で、それまでテレビでしか見たことがない人たちにお会いして、これからプロ野球選手になるんだと実感したことを覚えています。

 特に当時の監督をされていた王さんにお会いしたときは強烈なオーラを感じました。今、僕がテレビなどで芸能人などの方たちとお会いしても緊張しないのは、あのときの衝撃が大きかったからだと思います。ファイターズの新入団選手にもプロ野球選手にしか経験できないものをたくさん味わってほしいと思います。(日本ハムGM補佐)

 ▽1986年ドラフト 享栄の左腕・近藤が一番人気。中日、ヤクルト、阪神、広島、日本ハムの5球団が指名し、中日がくじを引き当てた。亜大・阿波野は巨人、大洋、近鉄が競合し、近鉄入り。南海入りした日本生命・田島は阪急との2球団から指名を受けた。なお、他の1位は西武・森山(北九州市大中退)、阪急・高木(横芝敬愛)、ロッテ・関(専大)、日本ハム・西崎(愛知工大)、広島・栗田(三菱重工神戸)、巨人・木田(日大明誠)、阪神・猪俣(法大)、大洋・友利(興南)、ヤクルト・西岡(近大)だった。

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2015年11月19日のニュース