工藤監督「手の汗が…」1勝 “開幕大ブレーキ”内川が逆襲V打 

[ 2015年3月29日 06:31 ]

<ソ・ロ>初勝利した工藤監督は内川(右)とハイタッチ

パ・リーグ ソフトバンク4-2ロッテ

(3月28日 ヤフオクD)
 3度の好機で2併殺打などと凡退した開幕戦の悔しさを晴らすように、ソフトバンクで主将と4番を今季から任された内川が新人監督に初白星をささげた。重圧をはねのけ、3安打3打点と活躍し「早く工藤監督に1勝を、と思っていたのでホッとした」と笑みを浮かべた。

 「ゴロになるのはどうしてか。バットがボールに当たる角度を意識づけようと思って」と右手の手袋を外して臨んだ。2点を追う2回に左翼線に運ぶと二塁にヘッドスライディング。打線の点火役になり、李大浩(イ・デホ)の適時打を呼び込んだ。3回2死満塁では変化球に逆らわず、右前に逆転の2点適時打。5回無死満塁でも右前にはじき返し、開幕戦でチームに漂った重い雰囲気を振り払った。

 3打点は7年連続で打率3割を達成してきた巧みなバットコントロールでの単打。「4番が大きいのを打つイメージは過去の人がつくったもの。自分がやってきたスタンスは変えられない」。2試合で大ブレーキとお立ち台を経験。前夜は深夜3時過ぎまで寝付けなかったといい、「4番は大変だなぁ、と1試合目から思い知らされた。あと141試合あると思うと気が遠くなる」と苦笑いした。

 工藤監督から主将就任を告げられた日、ソフトバンクの主将経験者である侍ジャパンの小久保裕紀監督に報告。「きつい時もあるかもしれないけれど、自分を成長させてくれるのだと思って頑張れ」とエールを送ってくれた先輩にも応えることができた。

 4番に指名した内川から初勝利をプレゼントされた工藤監督はウイニングボールを手に、「中軸で点を取るソフトバンクの野球ができた」と満足げに振り返ったが、直後には「勝つ瞬間まで手の汗が止まらなかった。現役とは違う。最高の喜び」と感慨深げに本音を吐露。試合後には今季初観戦の孫正義オーナーから「いい試合だった」とねぎらわれながら握手した。

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