巨人・大竹 3676日ぶり甲子園で勝った 04年広島時代以来

[ 2014年5月10日 05:30 ]

<神・巨>7回、代打・井端の三塁への適時内野安打に喜びを爆発させる(左から)阿部、アンダーソン、大竹、片岡、藤村

セ・リーグ 巨人4-2阪神

(5月9日 甲子園)
 苦節10年、やっと勝ちました。巨人の大竹寛投手(30)が9日、阪神戦に先発し、6回6安打1失点で5勝目を挙げた。甲子園での白星は広島時代の04年4月15日以来3676日ぶり。チームが前回3連敗を喫した甲子園で、FA移籍した右腕が待望の今季甲子園初勝利をもたらした。打線も長野久義外野手(29)が7回に決勝打を放つなど、前回4月12日に完封勝利を許した相手エースの能見篤史投手(34)を攻略した。

 やっと、やっと勝てた。甲子園で実に3676日ぶりの勝利。大竹は三塁ベンチ前で大勢のカメラマンに囲まれると、安どの笑みを浮かべた。

 「(甲子園では)なかなか勝ってないな、とは思っていました。1つ勝てたので次も勝てるように頑張っていきたい」

 浦和学院時代。2年夏に甲子園に出場したが、登板機会はなかった。広島時代。2年目の04年に甲子園初登板初勝利した後、勝てなかった。当時20歳だった右腕は30歳になった。4月13日に今季甲子園初登板。7回1失点で勝敗は付かなかった。「練習中からこんなに観客が入って、歓声やヤジが飛ぶのは凄いと思った」。広島時代には特別意識することはなかったが、巨人のユニホームに袖を通し、甲子園で投げる重圧を知った。伝統の一戦の重みも感じた。

 ただ、柔和な顔をしながら、負けん気の強さもある。「試合に入ると気にならない。対阪神というよりも攻める投球をしたい」。4万2781人の大観衆。地鳴りのように響く虎党の声援を聞きながら、強気な投球を心掛けた。同点に追いついた直後の6回。先頭の鳥谷に左前打を浴び、ギアを上げた。4回に一発を浴びたゴメスを宝刀シュートで投飛に仕留めてリベンジした。マートンはスライダーで右飛、今成も内角直球で捕邪飛に打ち取り、右手でグラブを叩いて雄叫びを上げた。

 「気持ちは常に向かっていった。勝ちたいと思って投げた」。前回3日の中日戦(ナゴヤドーム)では白星を挙げたが、6点リードの初回に5失点。6日に映像を見返したが、初回と2回以降でフォームに変化はなかった。「(原因は)メンタルかな」と分析した。この日、序盤は阪神打線に再三ファウルで粘られ、2回までに51球を費やした。それでもフォームで迷うことはない。精神面を落ち着かせ、3回から4イニングを44球でまとめた。6回を1失点に抑え、7回の勝ち越し劇を呼び込み、能見に投げ勝った。

 自身4連勝で菅野に次ぐ今季5勝目。長いトンネルを抜け出した男は「どこが相手でも抑えて、こういう投球を続けていきたい」と頼もしく言い切った。

 ≪杉内と並ぶ最速タイ≫大竹(巨)が6回1失点で今季5勝目。阪神戦は通算12勝目(13敗)だが、甲子園で勝ったのは自身同球場初登板となった04年4月15日以来10年ぶりだ。大竹は広島から今季FAで巨人に移籍。巨人にFA移籍したシーズンに5勝以上は96年河野6勝、00年工藤12勝、10年藤井7勝、12年杉内12勝に次いで5人目。7試合目の登板で5勝は杉内と並ぶ最速タイ。日付では杉内の5月17日より8日早い最速ペースになった。

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2014年5月10日のニュース