谷繁兼任監督　采配が後手後手に　７回の攻防で明暗

＜広・中＞７回、投手交代を告げる谷繁監督（右）

セ・リーグ 中日２－３広島

（5月9日 マツダ）
　信念の采配は結果的には裏目に出た。「こっちが動きやすいところでそのまま行かせて、先にこっちが動いて少し、後手後手になってしまった」。中日・谷繁兼任監督が勝敗の分岐点に挙げたのは７回の攻防だった。

　「動きやすいところ」は１―１の同点で迎えた表の攻撃だ。２死二塁の勝ち越し機で打順は投手・岡田。指揮官はそこまで７３球だった球数、同点の状況を考慮し、代打を起用せず、そのまま打席に送った。ただ、結果的に無得点で終え、その裏の守備で「後手後手に」回った。岡田が１死一、三塁の場面を招き、祖父江にスイッチ。右腕が左の代打・松山に勝ち越し打を浴びると、１死満塁で今度は３番手の左腕・高橋聡が右の代打・梵に犠飛を許した。「最悪、１点を覚悟しながら」の継投だったが、首位・赤ヘル軍団の勢いは監督の想定を上回った。

　連勝で乗り込んだ広島で接戦を落とし、カード初戦は４連敗。「結果としてそうなっている。（カード初戦を）取れるようにやるしかない」と兼任監督はあらゆる策を尽くし、上昇気配を探る。

　▼中日・パヤノ（５年ぶりに日本球界復帰。今季初登板で９回の１イニングを無失点）久しぶりの日本のマウンドで不安もあったが、何とか抑えられて良かった。