打線組み換え的中!打順下げたキラがV打で再び同率首位

[ 2014年4月12日 05:30 ]

<広・中>4回1死二・三塁、キラが右前に2点適時打を放つ

セ・リーグ 広島4-3中日

(4月11日 マツダ)
 広島・野村監督の采配がズバリ的中した。打線を組み替えた11日、4―3で中日を下し、連敗を2で止めた。昨夏の来日以来初めて中軸を外れ、6番に降格したキラが4回に意地の2点打を放てば、1番・遊撃で先発した木村は5回に勝ち越しを呼ぶ中越え三塁打だ。6回5安打3失点のバリントンが今季初勝利。巨人が敗れ、一夜にして同率首位に返り咲いた。

 敵地で延長の末に下した3・28開幕戦に続き、今度は本拠地で中日に競り勝った。オーダー変更が的中した野村監督は試合後、打線への質問に苦笑いで答えた。

 「(今が)底じゃないと言ったら強がりかな。頭が痛いよ、毎日。きょうは頑張ったけど、もう少しスタートで出る人が打ってくれたらね」

 指揮官は巨人との首位攻防3連戦を1勝2敗で終えた前夜10日、不振に喘ぐキラの処遇を軸とした打線組み替えを示唆。その助っ人が発奮したのは1―0の4回だ。1死二、三塁の好機で右翼線への貴重な2点打。1ボールから中に甘く入るカーブを見逃さなかった。

 「得点圏にランナーがいたので、最低でも犠牲フライで還そうと思っていた。最高の結果になってよかったよ」

 開幕戦で同点2ランを打った川上に再び痛打を浴びせ、左の大砲は安どの息をつく。先の巨人3連戦では10打数1安打と低迷し、先発でクリーンアップを外れるのは昨夏の来日以降で初となる、6番・一塁での出場。意地の一打だった。

 いぶし銀・木村の攻守にわたる活躍も特筆ものだ。同点となった5回、なおも2死三塁でルナの三遊間への当たりを好守で封じると、その裏、先頭打者で右中間三塁打を放った。1ボールからの甘いカットボール。菊池の勝ち越し打を呼んだ。

 「センター返しを心掛けていた。でも、守備がメーンという気持ち」。昨年8月4日、ヤクルト戦(神宮)以来となる1番・遊撃での先発には「気持ちよくないと言ったらウソになる。モチベーションが上がった」と白い歯をのぞかせた。

 3番から打順を下げられた大砲が発奮し、切り込み隊長に指名したベテランは攻守でハッスル。采配が的中した野村監督は「状態のいい人を使うと、キャンプからずっと言っている」と改めて強調し、言葉を重ねる。

 「6番になって、キラがクソッと思うなら打つしかない。ボクは憎まれ役になってもいい。勝てたという事実が我々を成長させてくれる」

 決してブレない信念。赤ヘルは巨人と再び同率首位に立った。

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2014年4月12日のニュース