今季最多貯金13!川端 快走・ヤクルトの立ヤク者

[ 2011年7月13日 06:00 ]

<ヤ・中>5回1死二、三塁、右前適時打を放つヤクルト・川端

セ・リーグ ヤクルト6-4中日

(7月12日 神宮)
 打席のヤクルト・川端は至って冷静だった。狙いは「直球一本」。データを振り返り、心を決めた。2回1死一、二塁で相手はネルソン。その初球だ。外角の149キロを捉えた打球は右中間を破った。

 「少々のボール球でも行くつもりで1、2、3で上から叩いた。僕はチャンスになると積極的になれる」。先制2点二塁打がネルソン攻略の重要な役割を果たした。

 9連戦最初のカードとなった2位・中日との3連戦。吉見、チェンと3本柱をぶつけてくるのを見越したチームは、初戦に絞って対策を立てていた。狙いはネルソンの生命線である直球。2回1死からバレンティンは3球目、宮本は2球目の直球を中前打した。続く川端は(1)走者ありで直球が多くなる(2)特に左打者には直球かフォーク(3)外の直球はシュート回転する、のデータをインプット。これが積極性との相乗効果で最高の結果を得たのだ。

 川端が狙い通りに直球を仕留め、フォークが多くなった4回は打線が低めを見極め、高めに浮いたところを痛打。伊勢総合コーチは「チームがやろうとしていたことができた。川端のあれが一番やね」と笑った。右太腿の肉離れから交流戦明けに復帰し、5回にも右前打で貴重な追加点。小川監督も「常に平常心で力を発揮できる。頼もしいよ」と絶賛した。

 貯金を今季最多の13として、2位の中日と5ゲーム差。「この1勝は凄く大きい」。プロ6年目の23歳の目には、首位独走への灯が見えていた。

 ◆川端 慎吾(かわばた・しんご)1987年(昭62)10月16日、大阪府貝塚市生まれの23歳。市和歌山商では遊撃手で1年夏からレギュラーとして活躍し、2年夏、3年春に甲子園出場。05年の高校生ドラフト3巡目でヤクルトに入団。昨季は中盤から定位置を奪取し59試合で打率・298、1本塁打、21打点。右投げ左打ち。1メートル84、77キロ。年俸1800万円。妹・友紀(22)は女子プロ野球選手(京都アストドリームス)。

 ▼ヤクルト・青木(2安打2打点)初戦を獲ったのが大きい。(チームも)打線がつながっている。

続きを表示

2011年7月13日のニュース