いるだけで刺激 初日から“高津効果”

[ 2011年3月7日 11:51 ]

 新潟アルビレックス・ベースボールクラブ(BC)の春季キャンプが6日、千葉県大多喜町総合運動公園野球場でスタートし、今季入団した高津臣吾投手(42)がチームに初合流した。

 憧れの選手と一緒の練習にナインは緊張気味だったが、途中からはアドバイスを求める姿も。通算286セーブのNPB記録を持ち、メジャーでも活躍したベテランが合流初日からチームの雰囲気を変えた。

 練習開始1時間前。誰よりも早く球場入りし、一人でアップをする高津の姿があった。「あんまり言いたくないですけど、年を取るとなかなか体が動かないので、全体練習に入る前に少しでも体を動かしておきたかった」。4カ国のプロリーグを経験してきたベテランならではの行動だった。

 練習始めの自己紹介は主将の清野友二外野手(25)から始まり、最後に高津が「一生懸命頑張ります」とあいさつ。最初のストレッチは一人離れた位置で黙々と行い、ナインも緊張気味に見守っていたが、その後のアップで木ノ内正樹外野手(25)らが話しかけると「アップ長いよ」と冗談を飛ばし、笑顔になった。

 この日はブルペンに入らずキャッチボールや体幹トレなどで汗を流し、連係プレーの際はチームメートの動きをじっくり確認した。

 「高津さんがいるだけで刺激になる」。清野主将が少年のように目を輝かせれば、中山大コーチ(30)は「朝早く来て、練習している姿を見せてくれるのはいいお手本」と感心しきり。キャッチボールの相手を務めた長坂秀樹投手(32)も「まだ体ができていないのかなと思ったけど、軸がしっかりしていて抜ける球もなかった。あの年齢でこの投球はさすがだなと思った」とあこがれの眼差しを向けた。ただ感動するだけではなく、連係プレーで折笠翔太投手(24)が「ヤクルトではどうだったんですか?」とアドバイスを求めるなど、初日から“高津効果”も表れた。

 橋上秀樹監督(45)は「昔も今もデレンとした走り方だけど、キャッチボールを見るとしっかりした投げ方をしていたのでひと安心」と話し、起用法についても「試合の締めくくりをやってきた投手なので、そういうところ(抑え役)を任せたい」と明言。「プレーヤーとして勝利に貢献することが自分の役割。それ以外にも若い人もいるので力になれれば」と話す高津が、早くもチームに力を与え始めた。

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2011年3月7日のニュース