松坂“こだわり”の7失点「確認したかった」

[ 2011年3月7日 06:00 ]

<レッドソックス・マーリンズ>2回2死二塁、2ランを浴び、打球を見つめる松坂

オープン戦 レッドソックス2-11マーリンズ

(3月5日 フォートマイヤーズ)
 レッドソックスの松坂大輔投手(30)が5日(日本時間6日)、マーリンズとのオープン戦で55球中50球が変化球という前代未聞の「実験投球」を行った。中でも今季の鍵を握る球種と位置づけるカットボールとストレートチェンジが計43球を占めた。カットボールはボールの切り方を変えながら、一番良い形を模索。ストレートチェンジは制球力に自信を深めた。3回6安打、オープン戦自己ワーストの7失点で敗戦投手も結果は二の次。シーズンで結果を出すための試みとなった。

 55球中50球が変化球で、うちカットボールが25球、昨季終盤に覚えたストレートチェンジ18球。なぜ、打たれ続けても2球種にこだわり抜いたのか。松坂は説明した。

 「ブルペンで自分がいいと思っても、打者の感覚が違う場合がある。試合で、限られた球数の中で集中して重要な球種の確認をしたかった。公式戦で同じ試行錯誤をしないためにこだわった」

 前回2月28日のツインズ戦では8割が直球で、メジャー5年目で最高の状態にあることが確認できた。その上で「直球、ツーシーム、スライダーを軸に考えた場合、必要なのはスライダーと違う軌道の横に滑るカットボールと、縦に落ちるストレートチェンジ」と考えた。打者の目線を変えられる2球種の完成度は今季の成績を左右する。

 (1)カットボール

 「何年目が一番良かったのかを(捕手の)バリテックに聞いた。複数の投げ方を試したが、使えるものと使えないものがはっきりした。駄目なものは使わない」

 手首を内側にひねって投げるタイプ、人さし指の親指側の指先で切るタイプを投じた。出た結論は「手首を入れると曲がりはあるが球速がない。指先で切って曲がりを出していく方がいい。今後はその形で投げる」

 (2)ストレートチェンジ

 「制球も良かったし、もう少し自由に速度や曲がりを変化させられればいい。右打者にも十分使えると分かった」

 親指も添えるが、人さし指と中指から抜く球でフォークよりも制球をつけやすい。従来のチェンジアップは左打者の外角に流れて、右打者には外から真ん中に入る危険性があったが、その不安もない。「直球に近い回転数を出せれば、打者がより見分けがつかなくなる」と方向性は定まった。

 先発5番手の立場ながら、結果を度外視して行った実験。全てシーズンで結果を出すためだ。

 「体ができた上で、こんな細かい作業は西武時代も1回あるかないか。極端な投げ方は今回で終わり。次からレギュラーシーズンに近い形で投げて、結果を出したい」

 投球フォームや球種の「パーツ」の確認は完了した。次回10日(日本時間11日)レイズ戦からは内容と結果を求める。

 ≪登板後はブルペンへ≫松坂は登板後にブルペンに戻って直球だけを11球投げた。その意図は「きょうは変化球、しかも焦点をリリースポイントに絞っていたので、体全体を使って直球を投げておきたかった」と説明。試合前のブルペンでも31球中16球が直球だった。今後は、直球を生かす変化球の配球に取り組むことになるが「チェンジアップもきょう投げなかった従来のサークルチェンジとストレートチェンジを打者によって投げ分けたい」と語った。

続きを表示

2011年3月7日のニュース