斎藤、G斬り“プロ初勝利”開幕ローテ入り前進

[ 2011年3月7日 06:00 ]

<日・巨>ハイタッチしようと手を出す斎藤(左)に、谷元(右)からウイニングボールを差し出される

オープン戦 日本ハム1-0巨人

(3月6日 札幌ドーム)
 日本ハム・斎藤佑樹投手(22=早大)が6日、巨人の重量打線相手に中継ぎとして3回2安打無失点と好投。オープン戦とはいえプロ初白星を手にした。

 オープン戦計3試合で無失点投球を続ける斎藤に梨田昌孝監督(57)は、あらためて開幕ローテーション入りを強く示唆。黄金ルーキーは、残り2度のオープン戦登板を経て、開幕2カード目となる30日、オリックス戦(東京ドーム)のプロ初先発が濃厚となった。

 斎藤が真価を発揮した。8回、先頭の高橋に対して初球から3球連続で内角を突き2つの空振りを奪った。1ボール2ストライクからの4球目は外角へツーシームと横の揺さぶり。腰を引かされた後で、当てるだけの打撃が精いっぱいの遊ゴロ。注文通りの投球で天才打者を手玉に取った。

 「オープン戦とはいえ(初勝利は)うれしいです。3回という多少長いイニングで、それなりに自分のピッチングができた。テーマはいつもと同じで低めのコントロールと直球の切れ。採点はできないけど、いい方向に来ていると思う」。たとえオープン戦でも、プロ初勝利。斎藤は試合終了の瞬間、ベンチでバッテリーを組んだ大野から声を掛けられて自然と笑みをこぼした。

 本拠地の大歓声の中、6回からマウンドに上がった。原監督の粋な計らいで実現した主力との対戦。「みんな雰囲気があって怖かったですね」。先頭の脇谷を三直に打ち取るまで表情は硬かったが、これでリズムに乗った。外角一辺倒だったこれまでの投球から一変して強気の内角攻めを展開。それでいて持ち味である低めへの制球は失わない。こうなると投球の幅は一気に広がる。7回、中軸との対戦でフォークボールも解禁した。坂本に初球いきなりそのフォークボールで空振りを奪った。続くラミレスには初球から内角直球と果敢に攻めてフォーク、スライダーで的を絞らせず二ゴロに抑えた。

 オープン戦3試合計23打者に1四球。この日も打者11人中7人にストライクを先行させた抜群の制球力が斎藤の好投を支えている。それでも「ツーシームに頼りすぎたかな。本来はもっと真っすぐを使わないといけない」と自らの投球を分析。最速144キロだった直球の精度を上げることを課題に挙げるなど、反省も忘れなかった。

 中継ぎ3試合で防御率0・00。結果を残した右腕に梨田監督は「巨人打線を相手によく投げた。ここまでは予定通り。13日の横浜戦に先発させます」と合格点を与えて「開幕ローテーション候補の1人。先発の方がいいんじゃないか」と開幕ローテーション入りを強く示唆。開幕カード+本拠地の重圧を避けた2カード目、オリックス戦(東京ドーム)で武田勝に続く2戦目の30日の先発デビューが濃厚となった。

 オープン戦残り2試合の登板について「ペース配分を意識してとにかく立ち後れしないこと」と目標を掲げた斎藤は、谷元からのウイニングボールを受け取らなかった。また一つ進化を見せた右腕が見据えるのは、シーズンでの白星だけだ。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ ツーシームはもっと温めて(時間をかけて)練習してほしかったけど、相手が巨人ということもあり、出ちゃいましたね。内角を突くのは打たせて取る基本中の基本。ただ、いい真っすぐがあるので変に(ツーシームに)頼ってほしくない。

 ▼日本ハム・芝草投手コーチ 勝負どころのコントロールは抜群。自分が不利になりそうなカウントでも組み立て直せるんだから、あらためて実戦向きと感じた。ゴロを打たせ、野手をリズムに乗せるのもうまいからスターター(先発)向き。

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2011年3月7日のニュース