イチロー「侮辱行為」で日米通じて初退場

[ 2009年9月28日 06:00 ]

ブルージェイズ戦の5回、ストライクの判定に異議を唱えるイチロー

 【マリナーズ4―5ブルージェイズ】マリナーズのイチロー外野手(35)が26日(日本時間27日)のブルージェイズ戦で、日米通じて自身初の退場処分を受けた。5回1死三塁の第3打席、カウント2―0からの外角球をストライクと判定され、直後にバットの先端でホームベースの外側をなぞるしぐさを侮辱行為ととられた。日本人野手としては大リーグ初の退場劇。試合も4―5でサヨナラ負けを喫した。

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 5回1死三塁で迎えた第3打席。カウント2―0から90マイル(約145キロ)の外角直球をストライクとコールされると、イチローはルンギ球審をにらみつけた。3球続いた同じコース。ゾーンは外れていた。「どっちかというと条件反射的な動き」とバットの先端でベースの外側をなぞった。侮辱行為と判断した同球審は、ためらうことなく一発退場を宣告した。
 「(退場の)可能性はあるだろうけどね。(今まで)審判に対して優しかったからね」
 日米通じ2370試合目で自身初の退場処分。イチローは「作品としてはちょっと間を置いといてほしいですよね。(抗議は)日本語で言ったけど、ちょっと理解してる感じがあって面白かった。(審判の)演出能力の問題じゃないですか」と言った。ワカマツ監督とともにダッグアウトに引き下がる際にも、審判に言葉を浴びせたが、わずか1分の退場劇では敵地観衆の反応も乏しかった。
 試合後、レーン責任審判は「線を引いた行為が退場につながった。明らかに意図的だ」と説明した。イチローといえど、審判への抗議は認められるものではない。だが、祖父、父も審判員というルンギ球審は昨年6月24日のマリナーズ―メッツ戦で1試合の職務停止処分を受けた経緯がある。ストライク判定の抗議を行った選手をかばおうとベンチを飛び出したメ軍マニエル監督の胸を突き飛ばした行為が原因だった。感情的になってそのほかにも、数々の騒動を巻き起こした審判だ。イチローも米9年間で、退場になる“ライン”は分かっていたはずだ。
 今季は開幕から胃潰瘍(かいよう)による故障者リスト入りに始まり、初のサヨナラ打も放った。名誉なことではないが初退場にもイチローは「いいネタができた」。沈んだ様子はなかった。

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2009年9月28日のニュース