男だマー君!準備不足もダル救う3イニング

[ 2009年7月25日 06:00 ]

<全セ・全パ>2回から登板した田中将大は3イニングを投げベンチに迎えられる

 【全パ8―10全セ】体の準備は間に合わなくても、それを補う強い気持ちがある。日本ハム・ダルビッシュの負傷降板で巡ってきた緊急登板。楽しむ余裕もなく2回のマウンドに上がった楽天・田中が、兄貴分のアクシデントを男気あふれる投球で救った。

 「正直、準備ができていなくて慌てて(マウンドに)行った感じだった。ホームランを打たれたけど、まずまずのピッチングができたと思う」
 初回、ダルビッシュが打球の直撃を食らったシーンが、ブルペンのモニターから目に飛び込んだ。「(肩を)つくってくれと言われたので」と3回からの登板予定が前倒しになった。だが、2回の投球練習では珍しく右肩をグルッと回し、先頭・金本の中飛の後は2、3度ジャンプして落ち着こうとするなど明らかに準備不足だった。
 それでも、24球中22球が直球と真っ向勝負で2回を1安打無失点。ベンチに戻るとさらに男気を見せた。「最初から言われたわけじゃない。(2イニング目を)投げ終わった時に言われました」と首脳陣の続投要請を快諾。2回に左翼線へ痛烈な安打を浴びたブランコも4回にはバットをへし折って二ゴロに抑えた。ラミレスにソロを浴びたが、球宴の救援投手では00年の近鉄・前川以来9年ぶりに3回を投げ切った。17日のオリックス戦で9回142球を投げ、20日のソフトバンク戦では救援で自己最速の155キロを記録。中2、中3日と8日間で3試合目の登板に「疲れました」と漏らしたが、前日、食事に誘われるなどかわいがられているダルビッシュの緊急事態を救った。
 小中学校の同級生の巨人・坂本とも3回1死で対戦し捕邪飛。「一番、意識しましたね。甘いところだったけど打ち損じてくれた」とこの日、初めてマウンドで笑った。前日、母校・駒大苫小牧を電撃訪問するなど思い入れの多い北海道での球宴。「北海道で投げられたのはうれしい。本当に特別なオールスターですね」。帰りのタクシーに乗り込んだ田中はダルビッシュの横で、ちょっぴり誇らしげだった。

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2009年7月25日のニュース