イチローが感謝 9年連続の球宴出場

[ 2009年7月7日 06:00 ]

<レッドソックス・マリナーズ>試合前、笑顔を見せるマリナーズ・イチロー

 大リーグのオールスター戦(14日・セントルイス)の出場選手が5日(日本時間6日)に発表され、日本人選手ではただ1人、マリナーズのイチロー外野手(35)がファン投票の外野手部門2位として選出された。今回のメンバー中最多となる8度目のファン投票選出で、1年目から9年連続の出場。開幕8試合を胃潰瘍(かいよう)で欠場しながら、シーズン折り返しの81試合で117安打という安打量産で栄誉を勝ち取った。

 【マリナーズ4-8レッドソックス】他のシーズンとはちょっぴり違う感情がわいていた。球宴9年連続出場への喜びを問われたイチローはただ「ありがとうございます」を4度も繰り返した。
 「スタートした時、僕は一番遠いところにいたわけですから、それを考えれば“ありがとうございます”ですね。最初は考えられないよね、誰よりも遠いんだもん」
 出場回数9度はジーター、リベラの10度に次ぐ数字。05年を除き8度のファン投票での選出は、今回の選出メンバーで最多だ。ランニング本塁打を放った07年にMVPに選ばれるなど、すでに球宴の顔といえる存在だが、今季は少し状況が違った。開幕から8試合を胃かいようで欠場。人気と同時に個人成績が強く反映される球宴出場だけに、イチロー自身が当初は懐疑的だった。
 その不安を打ち消したのは、自らのバットだった。メジャー自己最長を更新する27試合連続安打に始まり、前半だけで数々の記録をつくった。この日の試合でも3回に球宴選出“御礼の一打”となる右前打。同戦でシーズン半分にあたる81試合を消化し、打率・362、117安打。「最低100と考えていたので、プラス17ですからね。ペースとしては悪いわけはないわね」。それどころか、出場1試合平均の安打数1・6はメジャー年間最多安打記録を樹立した04年の1・63に次ぐハイペース。9年連続200安打、大リーグ通算2000本安打も完全に射程圏に入れている。
 第1回WBCで優勝した06年には球宴出場が決まった際「世界一になった国から出るべきというのはあった」と自負心を口にした。自らの決勝打で連覇を果たした今年も球宴出場を果たした。あとはその夢舞台で日本野球の威信を示すだけだ。

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2009年7月7日のニュース