早めの疲労対策　イチロー起用にワカマツ監督新プラン

オリオールズに快勝し、１安打完封したワシュバーン（左）とハイタッチするマリナーズのイチロー

　【マリナーズ５－０オリオールズ】イチローは五回の３打席目の右前適時打を「いろいろ考えての打席です」と短く振り返った。詳しくは語らないが、左打者の内角に変化球を多投するバーゲセンの配球を想定したスイングだったようだ。

　「カーブかスライダーですね」。この日はこの１安打だけだったが、１打席目の左直、４打席目の二ゴロは芯でとらえた打球が正面を突いた。全体の内容は悪くない。ワカマツ監督も「（五回の）あの２アウトからの１本はチームにとっても大きかった」と中押しの巧打をたたえた。
　その監督が試合前の記者会見で「イチローをオールスター前に指名打者で使う」と明言した。６月末から前日までロサンゼルス―ニューヨーク―ボストンと北米の東西を往復する長い遠征。１２日のレンジャーズ戦後はオールスター戦出場のためセントルイスに向かう。
　１年目からずっと球宴出場が続くため見落とされがちだが、この時期のイチローはいつも疲労のたまりやすい日程と戦っている。本人は「まだ（何も具体的なことは考えて）ないですね」と平然としているが、早めの対策で疲れを最小限に抑えたいところだ。（共同）