山口 育成選手出身で初の新人王!

[ 2008年11月22日 06:00 ]

笑顔の新人王・山口鉄也と特別賞の坂本勇人

 プロ野球コンベンションが21日、都内で開催され、MVP(最優秀選手)、新人王、ベストナインなど各表彰が行われた。セ・リーグの新人王には3年目の巨人・山口鉄也投手(25)が育成選手出身では初の選出。この日45人に絞られた来年3月のWBC日本代表候補にも名を連ねており、09年はさらに飛躍の1年となる。また、パ・リーグのMVPには21勝を挙げた楽天・岩隈久志投手(27)が初受賞。個人タイトル6冠を総なめした。

【表彰選手


 会見場に姿を見せた山口は、緊張しながらも終始笑顔だった。育成選手からはい上がった新人王は、味のある言葉で喜びを表現した。

 「3年前に育成選手で巨人に入った。まさかその時はこんな日が来るとは思っていなかった。素晴らしい賞をいただいて幸せです。一生に一度の賞。重みに感じてます」
 今季は貴重な左の中継ぎとして、チーム2位の67試合に登板。チームを2年連続のリーグ優勝に導いた。新しく覚えたシュートを駆使し、左打者の抑え方を習得したことが飛躍につながった。「気持ちの持ち方は自分では成長したかなと思ってます」と精神面の成長を実感した1年となった。

 中継ぎでの受賞が喜びに拍車をかけた。「走者を背負った場面での登板が多かった。抑えられて気持ち良くて、やりがいを感じました」。ピンチを切り抜け11勝を挙げた自負もあった。

 WBC日本代表候補にも選ばれるなど、来季はさらに成り上がるチャンスが待っている。前回大会は「テレビで見たり見なかったりでした」と関心は高くなかった。だが、プロ入り前にダイヤモンドバックス傘下のマイナーでプレーした経験があるのは強み。日本人が苦しむ国際球、硬いマウンドへの対応は問題なくクリアできる。「自分にはまだそんな力はないですよ」と謙そんするが「米国で対戦した選手がメジャーに上がったりしているのは励みになります」と自らが育った米国の地で、3年間の成長を披露する目標もできた。

 「来年はこの賞に恥じないようにオフにしっかりやって、チームの勝利に貢献したい」。年俸は1400万円から4500万円に大幅アップした山口。勢いのまま日の丸を背負うまで、上げ潮に乗る。

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2008年11月22日のニュース