滋賀学園の甲子園球児 国スポでソフトボール参戦 競技人口減少で白羽の矢…藤本聖人「滋賀盛り上げたい」

[ 2025年9月26日 06:00 ]

滋賀学園の女子ソフトボール部の選手と写真に納まる男子ソフトボールの選手たち(後列左から)山本、畠山、中西、川畑、東田、中松(前列左から)高野、太田、西、藤本、秋満、森田(撮影・須田 麻祐子) 
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 異種競技でも、本気で日本一狙う――。今春の選抜に出場した滋賀学園野球部3年生の9人が28日に滋賀県で開幕する「国民スポーツ大会」の少年男子ソフトボールの部に滋賀県代表として登場する。似て全く非なるスポーツの練習を始めて1カ月。悪戦苦闘しながら、甲子園球児たちは「頂点」を合言葉に技術を磨いてきた。1回戦は29日、強豪の鹿児島県と対戦する。

 甲子園の舞台を知る彼らに、18メートル29の塁間、68メートル58以上が規定の両翼は狭すぎる。ソフトボールの練習を始めて1カ月。異種競技への挑戦を決めた9人は、サイズでは測れない競技の奥深さに気づいていた。

 「慣れていないというのもあるけど、野球よりソフトボールの方が断然難しい。距離感が短いので、野球と同じスピード感でやっていると、全てのプレーが追いつかない。最初は苦労しました」

 今夏まで野球部の主将を務めた藤本聖人は感覚的な違いをこう表現した。最初に直面した壁がバッティング。投本間が14メートル02。男子の一流投手は球速120キロを超え体感速度は約150キロとされており、野球のスイングではとてもタイミングが合わない。その上、浮き上がるライズボール、ドロップなど変化球も多彩。藤本は肩の上にバットを乗せる構えに変え、中軸打者だった秋満大知は足を上げるのをやめた。

 守備でも、ソフト仕様の対応を迫られた点は多い。一塁と三塁が極端に前で守るのが通常シフト。三塁を任される中西朔太郎は「(守ってて)まだ怖いです」と苦笑いする。打球によっては、外野が二塁や三塁のベースカバーに入るシーンも珍しくない。極端なダウンスイングで高いゴロを放ち、走者を進める「たたき」と呼ばれる技術は、8月の練習試合で学んだ。

 「国スポまでに全部を完璧にやることは難しいけど、滋賀県を盛り上げるために頑張りたい」

 藤本の決意表明が頼もしい。近年、県内のソフトボール競技人口が激減。単独でのチーム結成が困難になり、今夏の県大会決勝で敗れた滋賀学園に異種競技での出場が打診された。希望者は9人。国スポでは、「本職」の栗東、彦根工の4選手を加えた13人で頂点を狙う。

 「ソフトボールでは全員がカバーしないとアウト一つも取れない。自分を犠牲にするのが大事」

 藤本が口にするスピリットは1カ月間、一緒に汗を流した同校の女子部員から学んだものだ。そして合同練習で残した財産もある。技術などを助言した中嶋佐智美監督は「雰囲気づくりや声掛けなどは、やっぱり全国で戦ってきた選手たちだなって」と感心する。

 目指すは野球で果たせなかった全国制覇。「9人の侍」が、少し小さめのダイヤモンドを疾走する姿が待ち遠しい。(堀田 和昭)

 ≪合同トレに参加 女子ソフト部員「刺激を受けた」≫野球部9人と一緒に汗を流した女子ソフトボール部員からも国スポに出場する選手がいる。高野結菜外野手、畠山舞莉彩投手、山本瑠希内野手の3年生3人で、少年女子の部に選出。体力やスピードが違うため、打撃練習やノックなどは別々に消化しつつ、練習の間にアドバイスを送り合う場面も見られた。畠山は「(男子は)一つ一つのプレーは本当に速くて、凄く刺激を受けた」と合同トレの効果を口にした。

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