玉鷲 大鵬超えた873勝 「比べるものじゃない」尊敬して惚れた昭和の大横綱同様、表情には出さず

[ 2025年9月17日 04:30 ]

大相撲秋場所3日目 ( 2025年9月16日    両国国技館 )

<秋場所3日目>若隆景(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・郡司 修)
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 関取最年長40歳の平幕・玉鷲が関脇・若隆景を押し出して今場所初勝利を挙げた。この白星で通算勝利数を873とし、大鵬を抜き、歴代単独9位に浮上した。大関獲りの若隆景は早くも2敗目。勝ちっぱなしは大の里と豊昇龍の両横綱、関脇・霧島、平幕・宇良と竜電の5人になった。

 強烈な右からの突き起こしだった。玉鷲は立ち合いこそ後退するが、左足で踏みとどまると今度は右からその横っ面を押し上げる。11月に41歳を迎えるとは思えぬ怪力で若隆景に土俵を割らせた。「合口が悪いといえばみんな悪い。そう言っても始まらない。中に入れない。外へ逃がさないようにいった」。過去の対戦成績4勝9敗がうそのようだった。

 873勝目。通算勝利数で優勝32回を誇る「昭和の大横綱」大鵬を超えた。偉大な数字に「光栄ですね」と喜びつつも「比べるものじゃない。何も言えない」とあえて表情を消した。大鵬と言えば04年初場所での初土俵後、13年に72歳で亡くなるまで仰ぎ見た存在。「勝って笑う力士もいるけれど大鵬さんは顔に出さない。男が男に惚(ほ)れる。格好よかった」と振り返った。

 思い出もよみがえる。入門後、同じ二所ノ関一門の連合稽古は大鵬部屋で行われた。稽古後、おかみさんに促されて部屋の2階へ上がると寿司職人が数人呼ばれ、大きなまな板を前に寿司を握っていた。初めて口にした軍艦巻きのネギトロ。「こんなにおいしいものがあるんだと思った。大好きになった」。モンゴル出身の玉鷲にも生涯、忘れられない味になった。

 東前頭筆頭で今場所を迎え、勝ち越せば来場所は22年九州場所以来3年ぶりの三役昇進が確実。1936年1月場所を小結で迎えた能代潟(40歳7カ月)を上回り、昭和以降では最高齢となる。大鵬を超えた鉄人の快進撃はまだまだ続く。 (筒崎 嘉一)

【若隆景 痛い2敗目】
 大関獲りの若隆景は序盤で2敗目を喫した。玉鷲が一度つっかけ、2度目の立ち合い。低い姿勢で当たったが、相手の強烈な右喉輪に耐えきれず、押し出された。「また明日、切り替えてやっていきます」と視線を上げた。今場所で11勝を挙げれば、大関昇進の目安とされる直近3場所合計33勝に届くが、土俵下の九重審判長(元大関・千代大海)は「右手が震えていた。もう少し冷静にいってもいい。1勝2敗は痛い」と指摘した。

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