岩井明愛 妹・千怜に続く史上初の双子V「本当に最高」感涙 豪快なプレーの裏に繊細な性格

[ 2025年8月19日 04:00 ]

米女子ゴルフツアー ポートランド・クラシック最終日 ( 2025年8月17日    オレゴン州コロンビアエッジウオーターCC(6497ヤード、パー72) )

米ツアー初優勝の岩井明愛は優勝カップの横で“1番ポーズ”(AP)
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 2打差単独首位から出た岩井明愛(23=Honda)が6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算24アンダーでツアー初制覇を飾った。日米通算7勝目。5月に初優勝した双子の妹・千怜(ちさと、23=Honda)に続く勝利で、ツアー史上初の双子Vを達成した。姉妹Vはこれで4組目となり、日本勢としては今季5人目の勝利。千怜も7打差7位から今季自己ベストの64と伸ばし、通算19アンダーの3位に入った。

 攻めのプレーが身上の明愛らしい、フィナーレを飾った。最終18番で下りの5メートルのバーディーパットをねじ込むと力強くガッツポーズ。祝福に駆け寄った妹の千怜からのシャンパンシャワーを笑顔で浴びた。

 2位に4打差をつける快勝。「本当に最高。メモリアルデーになった。途中きつかったけれど、自分に打ち勝てたのがうれしい」。言葉を紡ぐと今度は涙があふれた。

 三度目の正直だった。千怜とともに最終予選会を突破して今季から本格参戦。4月のJMイーグルLA選手権は最終ホールでボギーとし、1打及ばず今季2度目の2位となった。この時に「緊張感のある中で戦うと、ボールが右に行ってしまう」と自身の課題に気づいた。今大会は「そこに気をつけてできた」と経験を生かした。

 5月に千怜が先にツアー初優勝を遂げ「焦りはあった。勝てるのかなという不安もあった」と正直な気持ちを明かす。それでも「自分のゴルフに集中」と自らに言い聞かせた。1打差に迫られても、焦らず、ボギーなしの安定感で逃げ切った。

 ラウンド中、千怜のスコアを知らなかった。ホールアウト後に64だったと聞き、「えっ!」と驚愕(きょうがく)。それだけ集中していた。そして「今日の岩井明愛には勝てないと思います」と続けた。姉としてのプライドだった。

 飛距離を武器にした豪快なプレーが持ち味だが、本来は繊細な性格だ。母・恵美子さんは、保育園時代に明愛が描いた新幹線の絵が印象に残っている。「本当に細かいところまで奇麗に描いていた」。米ツアー参戦にあたって、強化してきたのがグリーン上だった。この日も26パット。「パットが入ってくれると良い位置で回れる」。豪快さと繊細さを兼ね備えたゴルフへと進化させ、つかみ取った1勝でもあった。

 生まれたのも、8歳でゴルフを始めたのも、米ツアーに参戦したのも2人一緒の仲良し姉妹。中学時代には同じ髪形にして入れ替わって授業に出席し、10分で先生にバレて怒られたことだってある。「いつも心のどこかに千怜がいる」。明愛にとって千怜はライバルではなく、最も近い仲間だ。「2人で一緒になってどんどん勝ち続けていきたい」。これからも2人で、勝利を積み重ねていく。

≪姉妹制覇は4組目の快挙≫
 米女子ツアーの姉妹での制覇はツアー72勝のアニカと1勝のシャーロッタのソレンスタム姉妹など4組目となる。双子優勝は、岩井姉妹が史上初のケースだが、男子の欧州ツアーではデンマークのホイゴール兄弟が達成している。兄・ラスムスは5勝、弟・ニコライは3勝を挙げており、21年には双子で2週連続優勝の快挙も成し遂げた。

≪最多タイの日本勢5勝目≫
 米女子ツアーで年間5人の日本人が優勝するのは19年(畑岡奈紗1勝、渋野日向子1勝、鈴木愛1勝)と24年(笹生優花1勝、古江彩佳1勝、竹田麗央1勝)の3人を上回り過去最多。日本勢年間5勝は87年(岡本綾子4勝、森口祐子1勝)、10年(宮里藍5勝)と並ぶ最多タイ記録。

 今季日本勢5人の優勝者のうち、西郷を除いた4人がルーキー。昨年、西郷が受賞した新人賞のランキングでは(1)竹田(2)山下(3)岩井千(4)岩井愛と日本勢が上位を独占。4人は年間ポイントでも15位以内。

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