美夢有 悲願の全英女子OP制覇!「優勝する」参観日に宣言した夢かなえた 体格差は練習量でカバー

[ 2025年8月5日 05:00 ]

米女子ゴルフツアー AIG全英女子オープン最終日 ( 2025年8月3日    英国ウェールズ ロイヤルポースコールGC(6748ヤード、パー72) )

全英女子オープンを制し、トロフィーを手に笑顔の山下美夢有(AP)
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 1打差の単独首位から出た山下美夢有(24=花王)が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算11アンダーでメジャー初優勝を果たした。米ツアーも初勝利。日本勢の大会制覇はメジャー昇格後では19年の渋野日向子(26=サントリー)以来2人目。メジャー優勝は4月のシェブロン選手権の西郷真央(23=島津製作所)以来6人目(7度目)。山下はきょう5日に凱旋し、北海道meijiカップ(8日開幕、札幌国際CC島松C)に出場する。

 ウイニングパットを沈めた山下は泣き顔になった。日本選手たちからシャンパンシャワーの祝福を受け、ボトルに口をつけて美酒を味わうと、ようやく表情が和らいだ。

 「ここまで凄く長かった。歴史のある大会でここに立つことができてうれしい。この一勝は私の中で思い出に残る」

 1番はバンカーの縁からきっちり寄せて、3番のピンチも絶妙なアプローチでしのいだ。6番パー5の1打目はバンカーを避けるためアイアンを握り、2打目も刻んで堅実にパーを重ねた。13番は5メートル、14番は3メートルのパーパットを沈めた。ボギーは17番だけで一度も首位を譲らなかった。

 24歳の誕生日だった2日の第3ラウンドはショットが乱れて、スコアを落とした。ラウンド後は練習場で打ち込み、宿舎でもコーチの父・勝臣さんと改善点を探った。「帰ってお父さんともう一度チェックした。細かい部分に気づけた」。スタート前の練習で好感触が戻っていた。米ツアー公式サイトによるとバースデーウイークのメジャー制覇は00年全米女子プロのジュリ・インクスター(米国)以来25年ぶり。「いい誕生日になって良かった」と笑みを浮かべた。

 1年前のパリ五輪では2位で迎えた最終日16番パー3で1打目を池に打ち込みダブルボギーを叩き、1打差で表彰台に立てなかった。大粒の涙を流した山下が口にしたのが「メジャーで結果を出したい」という言葉だった。

 五輪の悔しさは飛躍の糧となった。昨年の米ツアー最終予選会で2位に6打差をつけてトップ通過。2度年間女王に輝いた日本ツアーを離れ、ルーキーとして挑んだ今季は前戦まで15試合でトップ10入り6回と試合ごとに存在感は増していた。

 1メートル80を超える大型選手も珍しくない米ツアーで身長1メートル50はひときわ小柄。平均飛距離は159人中146位で1位とは40ヤード以上も差がある。それでもボギーなしのラウンド数やリカバリー率は1位だ。「そこまで飛距離は求めないコースだと思っていた」。強風が吹き荒れ、フェアウエーが狭く、深いポットバンカーが待ち構えるリンクスこそ、正確なショットと巧みな小技という強みを発揮できる舞台だった。

 幼少期から練習の虫。家族と練習場に向かう車中で「手前で降ろして」と訴えて途中から走って行くのがルーティンだった。プロになってからも豊富な練習量で体格差を埋めてきた。小学生の時、将来の夢を発表する参観日の授業では同級生や保護者の前で「全米で優勝する」とメジャー制覇を誓った。努力を積み重ねて、1つ目の夢をかなえた。

 「もっともっとレベルアップを目指して頑張りたい」。山下はさらなる高みへ視線を上げた。

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