【玉ノ井親方 視点】単独トップの琴勝峰、千秋楽の安青錦戦で懐に入られる展開になると苦しくなる

[ 2025年7月26日 19:48 ]

大相撲名古屋場所14日目   ○草野(寄り切り)安青錦● ○琴勝峰(上手投げ)霧島●  ( 2025年7月26日    IGアリーナ )

<大相撲名古屋場所14日目>霧島(右)を上手投げで下す琴勝峰(撮影・椎名 航)
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 新入幕の草野が、琴勝峰とトップに並んでいた安青錦を引きずりおろし、逆転V圏内に生き残った。

 うまさが光った一番だった。今場所、他の力士は低い姿勢でどんどん前に出てくる安青錦を攻めあぐね、その勢いを止められずにいたが、草野は逆に自分から攻めて攻略の糸口をつかんだ。

 組みにいくのではなく、突き放して立ち、上手に手がかかるとすかさず出し投げを打って揺さぶった。さらに右を差してかいなを返し、投げを打ちながら寄って出た。攻め手が何パターンもある多彩な動きで、安青錦を防戦一方にさせる見事な連続攻撃だった。

 学生相撲出身らしく、うまい相撲を取る力士。安青錦のような突進力のあるタイプを、自分の思い描いた通りの内容で倒したことは、大きな自信になるはずだ。

 部屋の先輩の尊富士に続く新入幕Vの可能性もあるが、千秋楽は今まで味わったことがない重圧が両肩にのしかかってくるはず。ただ極端なことを言えば、失うものは何もない挑戦者の立場。今は最高の経験をしていると思って、持っている力を振り絞り、結果は後からついてくると腹をくくって、土俵に上がることだ。

 安青錦が敗れたことで琴勝峰が単独トップに立った。霧島戦は立ち合いで当たって押し込み、相手が出てくるところをいなして横を向かせ、後ろまわしを取って送り出すように投げた。

 先日も言ったが、今場所の琴勝峰は、立ち合いの当たりが先場所までより良くなった。威力が増したことで相手を押し込めるようになり、相撲内容が安定。霧島戦も立ち合いの当たりが良かったからこそ、いなしが効果的に決まった。

 千秋楽は安青錦との対戦が組まれた。安青錦に懐に入られるような展開になると苦しくなるだろう。

 優勝の可能性が残る3力士はいずれも初優勝のチャンス。それだけに千秋楽のプレッシャーは想像以上のものがあるはず。誰が優勝するかは読めないが、それぞれ疲れはピークにきているはずだから、最後は気力と体力の勝負になる。
(元大関・栃東)

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