21歳・竹田麗央 45年ぶり完全優勝でメジャー初制覇 自己採点は「99点」 減点1は?

[ 2024年9月9日 04:00 ]

女子ゴルフツアー ソニー日本女子プロ選手権最終日 ( 2024年9月8日    沖縄県 かねひで喜瀬CC=6670ヤード、パー72 )

<ソニー日本女子プロ選手権最終日>18番、ウイニングパットを決め阿部未悠に祝福される竹田麗央(撮影・会津 智海)
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 メルセデスランク1位の竹田麗央(21=ヤマエグループHD)が5バーディー、2ボギーの69で回り、大会記録に並ぶ通算19アンダーでメジャー初制覇を4日間首位を守る完全優勝で飾った。今季2度目の2週連続優勝となる6勝目。今大会での日本人完全Vは72~74年樋口久子、79年岡本綾子以来、45年ぶり3人目となった。2季連続女王の山下美夢有(23=加賀電子)が通算18アンダーの2位に続いた。

 勝負強さ、技術の高さが際立つ一打だった。14番パー3で竹田は「逃げずに打つ」と腹を決めた。前の組の山下が、2打差に迫るバーディーを奪うのを目撃した直後。左に池が広がるグリーンの左奥のピンを、フェードの弾道で果敢に攻めた。2メートルに寄せてバーディーを奪い返し、2年連続女王とのマッチレースを制して完全V。ツアーで最も勢いに乗る21歳が日本女子プロNo・1を決める大会を制した。

 「今年は初優勝できて、そこからの目標がメジャー優勝だったので、達成することができて本当にうれしい」

 前週に今季5勝目を挙げて挑んだメジャー第2戦は、初日からの首位を守って最終日を迎えた。最終的に1打差での勝利となったが、一度も首位の座は譲らなかった。自己採点は「99点」。減点1は大会新記録に届かなかった1打分という。ただし樋口久子と岡本綾子というレジェンドに続く完全優勝は強さの証明と言える。

 プロ3年目で才能が開花。その強さの原点はフェードにある。左に打ち出し、軽く右に曲がる弾道。元々は逆のドローだったが、アマチュア時代に持ち球を変えた。「フェードの方が曲がり幅も、ミスの幅も少ない」。今大会全体2位の平均飛距離271・5ヤードに加え、フェアウエーキープ率は75%。飛んで曲がらないティーショットがここまで6勝の鍵だ。このオフから練習の比重をショットよりも多くしたショートゲームの技術向上もスコアメークにつながっている。

 コース内では無類の強さを誇る21歳も、素顔は小祝さくらと仲良しのほんわか系。地元・熊本では自宅を新築中だと言い、優勝副賞は特別協賛社のソニー製品の映画館のような体験ができる大型テレビや音響のセットを選択した。ただ一番の楽しみは別にある。3人きょうだいで子供部屋で過ごしていたが、「個室になるんです。それが一番楽しみで」とニコニコと笑った。

 初の年間女王戴冠に向けても勢いをつける初タイトル。JLPGA小林浩美会長に並ぶ初優勝からのシーズン6勝目をつかみ、次は前人未到の7勝目に挑む。「これからもたくさん優勝できるように頑張る」と竹田。この勝利もまだまだ通過点だ。 (中村 文香)

【麗央の記録アラカルト】
 ★完全優勝 日本人の今大会での完全優勝達成は72、73、74年の樋口久子、79年の岡本綾子以来の3人目となった。81年大会まで3日間大会だったため、4日間での完全Vは初。海外勢では85年ト阿玉、08年辛炫周、18年申ジエが達成している。
 ★シーズン6勝 史上11人目(不動裕理は4度)のシーズン6勝を達成。初優勝からの達成は89年小林浩美以来、2人目となった。21試合目での到達は不動(03年16試合、04年18試合)、宮里藍(05年19試合)に続く4番目の速さ。21歳159日での達成は、05年宮里藍の20歳154日に次ぐ2番目の年少記録となった。
 ★シーズン2度目の2週連続V ゴルフ5レディースからの2週連続Vとなり、4月に続く今季2度目。過去に15年のイ・ボミ、19年の鈴木愛が達成。

 ◇竹田 麗央(たけだ・りお)2003年(平15)4月2日生まれ、熊本県出身の21歳。熊本国府高卒。6歳でゴルフを始める。21年プロテスト合格。今年4月にツアー初優勝。師匠はプロの母・哲子(さとこ、56)。叔母・平瀬真由美(54)は元賞金女王。1メートル66、66キロ。

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