体操金メダルの岡 テレビ撮影が才能開花のきっかけ 小中学校時代の恩師が振り返るあの頃

[ 2024年8月2日 03:54 ]

体操男子個人総合 岡慎之助が金メダル

ジュニア時代からともに活躍した岡(右)と橋本(おかやまジュニア提供)
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 岡の原点は、小学2年から中学卒業まで通った岡山市の「おかやまジュニア体操スクール」だった。三宅裕二代表(57)は「サボることが全くなかった。コツコツやるので情が移る子」と当時を振り返る。天性の柔軟性を伸ばすため、あえて器具を使わない練習をひたすら繰り返した。

 ある日の練習前、岡が「お話があります。やめます」と打ち明けたことがある。三宅代表は「無理です。(体育館に)どうぞ入りなさい」とあえて厳しく返したという。「面白くなかったと思いますよ。でも、あの1回だけで、もうやめたいと言わなかった」と当時を振り返る。

 初めての国際大会は小6の15年、オーストリアで行われた14歳以下のフューチャーカップ。団体と個人総合で優勝した。「器具より低い身長なのに、あん馬で凄い技をするから、海外の選手、コーチたちが“凄い!”と声を出してました」と懐かしそうに振り返り「日頃、見ない顔をして表彰台でニコっとしてたから、僕も写真をいっぱい撮りました」と話す。

 既に高校生が挑む技を習得していた中学時代、地元のテレビ局が岡の演技を撮影。定点撮影中のクルーから「(体が)画面から出るのは何でですか?演技をしてると大きく見える」と言われたことがある。三宅代表は、岡が「ちっちゃくても軽くても、器具ががっちりしてても、自分の体をしならせれば器具に対応できる」と話していたことを思い出した。それ以降は体が大きく見えるような細かな技術を意識して伝え、中学時代で既に鉄棒のF難度「リューキン」などを成功。1メートル58の体を大きく見せる才能が開花した意外なきっかけでもあった。

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